黒部川におけるダムの排砂について
黒部川は、その急峻な黒部峡谷を一気に下っていく激しい流れと豊富な水量から、古くから電源開発が行われるとともに、幾度となく洪水被害を繰り返してきた河川であり、現在、5つの発電機能を有する利水ダム(黒部川本川に黒部ダム、仙人谷ダム、小屋平ダム、出し平ダムの4ダム、黒薙川支流に北又ダム)と1つの洪水調節機能を有する多目的ダム(宇奈月ダム)が整備されています。
一方、黒部川は全国でも有数の流出土砂の多い河川(3,300m3/km2/年:宇奈月ダム地点)であることから、これらダム群の最下流部に位置する関西電力の出し平ダム、国土交通省の宇奈月ダムでは、ダムに堆積する土砂を下流に排出できるよう、それぞれに排砂設備が設けられています。
2つのダムの排砂設備の運用にあたっては、利水や治水といったそれぞれの機能を適確に維持しながら、黒部川の上流から下流、そして海岸まで含めた流域全体を考慮して、排砂による環境への影響をできるだけ軽減するように、出水に合わせて行う連携排砂を平成13年より実施しています。
その間、流域市町をはじめとした関係機関により構成される黒部川土砂管理協議会、学識経験者により構成される黒部川ダム排砂評価委員会における熱心な議論を経るとともに地元関係者の皆さまとの幾度にもわたる協議を重ね、より自然に近いかたちでの連携排砂を目指してきたところです。
黒部川 出し平ダム 宇奈月ダム 連携排砂のガイドライン(案) 平成29年3月
これまで実施してきた16年間の連携排砂により、排砂に関する一定の手法が確立されてきたと考えられることから、現在運用している最新の手法やこれまでの検討の経緯、技術の蓄積をガイドライン(案)としてとりまとめることといたしました。
本書は、これまでの連携排砂で得られた経験や知見、規則やその背景を記載するとともに最新の手法について記載していますが、その行為自体が自然現象を扱うものであることから、常に最新の知見を踏まえながら更新していくものであり、案を付したままとしています。
ダム排砂評価委員会・土砂管理協議会関係
令和3年度連携排砂について
平成29年度連携排砂について
平成25年度連携排砂について
平成23年度連携排砂について
過去の環境調査資料
- H14.5.13 平成13年12月宇奈月ダム貯水池底質追加調査の実施
- 平成13年の連携排砂に伴う環境調査のうち、宇奈月ダム貯水池における底質調査については、排砂期間前(5月調査)、通砂直後(7月調査)、排砂期間後(9月調査)の3回実施しています。
また12月には、9月調査でCOD:31mg/gが測定された22.8K地点について、その後の推移を確認しました。 - H14.3.11 平成13年11月海域底質調査を追加実施
- 平成13年6月から7月にかけて実施した連携排砂及び連携通砂に伴う海域の環境に与える影響を把握するため、富山県水産試験場及び関係漁協の協力をいただき、11月21日、22日に黒部川河口沿岸海域の底質採取及び分析を行いましたので、調査結果をお知らせします。
得られた調査結果については、今後開催される「黒部川ダム排砂評価委員会」において、科学的な評価をいただくこととしています。 - H12.7.7 環境調査結果とりまとめ資料
- 黒部川でのダム排砂では、環境調査などを実施して行っています。過去の環境調査結果を整理しました。
- H12.6.9 海域底質調査73地点の資料採取完了
- 5月24日実施していました「富山県東部海域底質調査」73ヶ所が6月6日に終了しました。
土砂採取の方法や資料の写真・分析結果などが詳しく載せてあります。 - H12.6.1 海域底質調査73地点の資料採取着手報告
- 出し平ダム及び宇奈月ダムの連携排砂に伴い、海域の現況把握を目的として、富山県東部の海域底質調査を5月24日から実施しています。
その他
- 宇奈月ダム及び出し平ダムの排砂に係わる公害紛争調停について
- H12.9.17 出し平ダム土砂変質抑制策の実施結果について
- 平成12年9月3日から4日にかけて、出し平ダム土砂変質進行抑制策を実施しましたので、その概要をお知らせします。
- 総合土砂管理