実川・馬取川の生きもの

植物

ワラビ【Pteridium aquilinum var.latiusculum】 (コバノイシカグマ科)

ワラビ
撮影:今井 建樹

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    葉の長さは80〜200mmで、大型のシダです。葉全体は卵形で、黄緑色をしています。
  • 生えている場所
    小笠原を除く、全国各地の日当たりのよい野や林内、林の縁に生えています。
  • 花のようす
    胞子は葉の縁に沿って長く伸びます。

参考

若い芽は山菜の王者と言われています。若い芽だけでなく根茎からデンプンを採り,ワラビ粉としても利用されてきました。一方、放牧した牛がワラビ中毒を起こすことでも有名です。
ワラビの名がシダ植物全体の名前として使われることもあります。

サワグルミ【Pterocarya rhoifolia】(クルミ科)

サワグルミ
現地撮影

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    冬に葉をおとす落葉の高木で、高さ10〜20m、太さ1mになります。葉は鳥の羽根のように羽状に裂けた複葉 (1枚の葉がいくつかの小さな葉からなるもの)で、11〜21対の小さな葉からなっています。
  • 生えている場所
    北海道、本州、四国、九州の山地の川沿いの小さな石や砂が混じったところに生えています。
  • 花のようす
    花の咲く時期は4月末〜6月です。1つの木に長くた垂れ下がった黄色い雄花と雌花をつけます。

参考

名前のサワは沢の意味で、渓流を代表する植物です。渓流沿いに生息する動物が住むところや休むところとして利用します。

ネコヤナギ【Salix gracilistyla】(ヤナギ科)

ネコヤナギ写真
撮影:長井 眞隆

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    冬に葉をおとす落葉の低木で、高さ2〜3m程度です。細長い葉が交互にたくさんつきます。葉は革のような感じで、深い緑色です。葉には毛が生えています。
  • 生えている場所
    北海道から九州に分布します。冬には葉を落とす落葉の低木です。山地渓流や中流の流れが急なところなどに生えています。
  • 花のようす
    雄花と雌花はそれぞれ違う木に咲く雌雄異株 (=ひとつの花におしべとめしべがなく、おばな雄花をつけるものとめばな雌花をつけるものが別の株)で、春先に葉が開く前に花 (花序(かじょ))を出します。花序は絹毛が目立つふさふさとした感触で、銀色に光り特徴的です。

参考

渓畔に広く生育する種です。花序は絹毛が目立つのでふさふさとした感触であり、これをネコの尾にみたてて、ネコヤナギの和名が付きました。渓流の春を知らせる植物です。

ブナ【Fagus crenata】(ブナ科)

ブナ写真
撮影:長井 眞隆

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    冬に葉をおとす落葉の高木で、高さ30m、太さ1.5mになります。葉には柄があり、卵形で、先は尖ります。縁には波状の歯があります。葉の脈は7〜11対です。
  • 生えている場所
    北海道(渡島(おしま)半島の黒松内(くろまつない)、長万部(おしゃまんべ)以南)、本州、四国、九州の温帯山地の肥沃な(栄養のある)土壌 (=つち)の厚いところに生えています。
  • 花のようす
    花の咲く時期は5月です。雄花と雌花は同じ木につきます。実は甘く、トゲのついたイガがついた三角の形の種子です。

参考

渓流周辺の樹林に広く生育します。また、渓流周辺の樹林に生息する野生動物の住むところや休むところとして利用しています。特に、ドングリは貴重な餌となっています。

ミズナラ【Quercus mongolica ssp.crispula】(ブナ科)

ミズナラ写真
撮影:長井 眞隆

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    落葉の高木で、冬に葉を落とします。高さ30m、太さ1.5mになります。樹皮には縦に深い割れ目があります。葉の縁には大きな歯があります。
  • 生えている場所
    北海道、本州、四国、九州の温帯を中心に分布しています。土壌の厚い山地の斜面に広く生えています。
  • 花のようす
    花の咲く時期は5月です。雄花と雌花が1つの木についています。

参考

渓流周辺の樹林に広く生育しています。
渓流周辺の樹林に生息している動物が住むところや休むところとして利用しています。