実川・馬取川の生きもの

植物

ケヤキ【Zelkova serrata】(ニレ科)

ケヤキ写真
撮影:今井 建樹

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    冬に葉をおとす落葉の高木で、高さ50m、太さ2.7mになります。葉は片側に2枚ずつ交互に並びます。卵形で、先は長く伸びて尖ります。葉の縁には大きな鋸歯(ギザギザ)があります。
  • 生えている場所
    本州、四国、九州の温暖地のよく肥えたところや渓流沿いに生えています。
  • 花のようす
    花の咲く時期は4月です。花は新しい葉とともに開き、雄花と雌花は同じ木につきます。

参考

渓流沿いに広く生育する植物です。
木材は木目が美しく、どっしりとして厚みがあり曲がったりしないので、重要な建築・器具材で、特に社寺の建築に多く用いられています。また、樹姿が優雅であるので好んで植えられています。

エゾエノキ【Celtis jessoensis】(ニレ科)

エゾエノキ写真
現地撮影

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    冬に葉をおとす落葉の高木で、高さ20〜30m、太さ60cm以上になります。葉は2列で、茎の1つの節から交互に葉が出て(互生)います。卵形で、縁には基部を除いて上向きの鋸歯(ギザギザ)があります。
  • 生えている場所
    北海道、本州、四国、九州の日当たりのよい山地や渓谷に生えています。
  • 花のようす
    花の咲く時期は4〜5月で、黄緑色の地味な花を咲かせます。果実は黒色です。

参考

蝶(ちょう)のオオムラサキの幼虫の食草です。
神様と関係づけられ、神聖な木として大事に育てられることが多く、正月の「餅花しだれ」に使う地方も多いです。一里塚などにも植えられ、街道すじに老木が残っていることもあります。

ミヤマイラクサ【Laportea macrostachya】(イラクサ科)

ミヤマイラクサ写真
現地撮影

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    高さが1メートルにも達する大きな草で、茎は直立して堅いトゲに覆われていて触るととても痛いです。葉は、互い違いにはえ、広い卵形で10〜25cm、先はとがり、葉の縁には大きな鋸歯(ギザギザ)があります。
  • 生えている場所
    日本全国の山地などに分布し、比較的うす暗いところに生えています。
  • 花のようす
    冬は地下茎などで休眠し、翌年も花をつける多年草です。雌雄異株 (ひとつの花におしべとめしべがなく、雄花をつけるものと雌花をつけるものが別の株)で、花は6月〜7月に咲きます。

参考

イラクサの茎葉に細かい刺があり、この刺にヒスタミンを含むため、指でさわると、いつまでも痛くてかゆいです。漢方薬として用いられるほか、春の山菜としてアイコと呼ばれ、若い葉を茹でて、おひたしやあえものにして食べます。

キバナイカリソウ【Epimedium koreanum】(メギ科)

キバナイカリソウ写真2
現地撮影

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    茎は高さ20〜40cm、茎の先から3本の柄を出し、それぞれに3枚のハート形の小葉をつけます。
  • 生えている場所
    北海道(渡島半島)、本州(おもに日本海側)の温帯の落葉広葉樹林の林床部や林縁に生えています。
  • 花のようす
    冬は地下茎などで休眠し、翌年も花をつける多年草です。花の咲く時期は4月です。花は淡い黄色です。

参考

「国立、国定公園特別地域内指定植物図鑑―中部(山岳編)-」の上信越高原国立公園で、固有種および稀少種に選定されています。
名前は、花の形が船の錨(イカリ)に似ていることから名付けられました。

ミツバアケビ【Akebia trifoliate】(アケビ科)

ミツバアケビ写真
現地撮影

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    無毛のつる性木本で、ふつう冬に葉を落としますが、ときに越冬します。小葉は3枚の卵形で毛があります。先端は少しくぼみます。
  • 生えている場所
    北海道、本州、四国、九州の暖帯より温帯に分布しています。
  • 花のようす
    花の咲く時期は4〜5月です。先の方に十数個の雄花をやや密につけ、基部に1〜3個の雌花をつけます。雄花、雌花とも濃紫色です。

参考

果実が2つに割れることから開け実という意味です。果肉の部分は白色で甘く、食べられます。つるはかごに編んだり、細工物にされます。