実川・馬取川の生きもの

鳥類

トビ 【Mirvus migrans】(タカ目タカ科)

トビ写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    尾羽を広げると三味線のばちの形になる、最も身近なタカの仲間です。この尾羽はたたむとM形に切れ込む形になります。目の周りと足が黒っぽく見えるのも特徴です。
  • すみ場所
    日本では留鳥として全国で繁殖しています。繁殖期以外は、漁港や海沿いなどに集団でみることがあります。
  • 生活のようす
    人間の残飯や動物の死体などを食べて生活しています。その他にミミズやカエルなども捕まえます。冬になると集団でねぐらをつくります。タカの中では一番よく鳴き、海岸線などで集団で鳴きながら飛び回るのが、確認できます。

参考

カラスと同様に人間の身近にたくましく適応している鳥だといえます。また、野鳥観察では「ものさし鳥」といわれ、カラス、ハト、ヒヨドリ、スズメなどともに他の鳥との大きさの比較に使われます。

ホトトギス 【Cuculus poliocephalus】(ホトトギス目ホトトギス科)

生態情報

  • からだの特徴
    外見でその他のカッコウやツツドリなどと見分けるのは難しいです。遠目には少しタカに似ていて、おなか側にはやや太い横しまがみられます。
  • すみ場所
    日本では、北海道南部から九州までの地域に夏鳥として、南の国から渡ってきて繁殖します。低地から山地のササやヤブのある林にすんでいます。単独で行動していることが多いです。
  • 生活のようす
    ほかの鳥の巣に自分の卵を産み付け、育ててもらう「托卵(たくらん)」という習性で有名です。托卵の相手はウグイス、アオジ、ミソサザイなどです。鳴き声も有名で「東京特許許可局」と聞こえます。餌は、虫をおもに食べますが、毛虫類が特に大好きなようです。

参考

ホトトギスのなかま仲間 (カッコウ、ツツドリなど)は、みな托卵の習性を持ちますが、その相手はそれぞれ違い、競争がおきないようになっています。

アカショウビン【Halcyon coromanda】(ブッポウソウ目カワセミ科)

生態情報

  • からだの特徴
    全身が赤茶色でくちばしが大きく赤いカワセミの仲間です。キョロロロローと美しく鳴き、遠くまでよく響きます。薄暗い林などにいるのでその姿はなかなか拝めません。
  • すみ場所
    日本から東南アジアにかけて生息しています。国内では全国に夏鳥として繁殖しています。日中は薄暗い林にいますが、早朝や雨の日などは明るいところでさえずることもあります。
  • 生活のようす
    ほかのカワセミ類と違い、水中に飛び込むことはあまりしません。地上に降りて、水辺近くや地上の小動物を、くちばしでくわえてとります。巣は土の崖に穴を掘ったり、キツツキの古巣を使ったりします。

参考

ミズコイドリやミズホシドリなどの地方名があり、これは水を飲もうとすると、水に映る真っ赤な自分の姿がおそろしくて飲めないので、「水がほしい・・・」と鳴くのだという伝承に由来しています。

アオゲラ【Picus awokera】(キツツキ目キツツキ科)

アオゲラ写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    背中が緑色のキツツキの仲間で、とてもよく目立ちます。おなか側は横縞模様、頭は赤いです。翼を広げると50cmくらいになります。飛ぶときによくケラケラと鳴くのが、観察されます。
  • すみ場所
    本州から九州、屋久島(やくしま)までの平地から山地の林で生活しています。冬になると町の公園などに下りてきたりします。日本固有種です。
  • 生活のようす
    生きた木にくちばしで穴を掘り、巣にします。繁殖期には木の幹を連続してつつくドラミング音を出します。エサは木の幹にいる虫や木の中の幼虫をくちばしで掘り出して食べます。虫の少ない時期などは、カキの実なども食べます。

参考

アカゲラ、オオアカゲラ、アオゲラの3種は鳴き声、ドラミング音がよく似ています。なるべく姿を確認してから判別しましょう。

キセキレイ【Motacilla cinerea】(スズメ目セキレイ科)

キセキレイ写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    長い尾を上下に振りながら水辺を歩く、黄色いセキレイの仲間です。チチンチチンと鳴きハクセキレイ、セグロセキレイの中では一番きれいに聞こえます。背中側が黒く、胸と尾羽の下側が黄色く、顔も黒く白い眉が入ります。
  • すみ場所
    北海道から九州まで全国的に普通に生活している鳥です。積雪の多い地方では、冬に暖かい地方に移動する個体が多いです。セキレイ類3種の中では、小川、渓流などの上流部や小河川にすむようです。
  • 生活のようす
    水辺を活発に歩き回り、虫やクモを餌にします。4〜8月に繁殖し、石垣、崖地のくぼみや人家の屋根のすき間などに巣を作ります。繁殖期はつがい(夫婦)で縄張りを持ちますが、冬になると単独で生活します。

参考

ハクセキレイの幼鳥はおなかが黄色く間違えやすいですが、ハクセキレイの顔は白く黒い眉をしています。また鳴き声は、ジュジュンジュジュンと濁ります。

カワガラス【Cinclus pallasii】(スズメ目カワガラス科)

カワガラス写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    翼をひろげると32cmほどの渓流にすむ鳥です。メスオス同色で、親鳥はほぼ全体が濃い茶色です。幼鳥は翼が黒褐色、全体は淡い茶色でほぼ全体にうろこ模様があり、ミソサザイによく似ていますが、大きさと横しまの有無で区別できます。
  • すみ場所
    北海道から九州までの全国の山地に普通に分布します。山地の渓流や沢、河川の中〜上流域の石や岩の多い環境が好きです。年間を通じて同じところに生息することが多く、季節による移動はあまりしません。
  • 生活のようす
    1月頃から繁殖期に入り、渓流の岩のすき間や滝の裏側にコケ類を材料にした直径約30cmほどの丸い巣を作ります。食べ物は、おもにカワゲラ、カゲロウの幼虫など川虫 (水生昆虫)や小魚で、餌を捕まえるために、渓流の水中に潜り、飛ぶように水中を泳いだり、川底を歩いたりして餌を探します。

参考

渓流を代表する水辺の鳥です。渓流沿いや橋の上から近づくと、ビッ、ビッと鳴きながら飛んでゆく様子がよく観察されます。もし見かけたらじっとして、泳ぐ様子などを観察してみましょう。