実川・馬取川の生きもの

両生類

ハコネサンショウウオ【Onychodactylus japonicus】(サンショウウオ目サンショウウオ科)

ハコネサンショウウオ写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    からだの大きさは11〜19cmで、からだの色は暗い赤褐色です。からだの中央には橙色あるいは紅色の幅広い帯状の模様があります。尾は全長の半分以上の長さになります。他のサンショウウオと比べて目が大きく、やや飛び出ている感じを受けます。
  • すみ場所
    北海道と九州を除く日本各地の山地に分布し、標高2000m以上の高山の渓流にもすんでいます。
  • 生活のようす
    産卵の時期については、通常は5〜6月ごろ頃と言われています。産卵場所は直射日光の当たらない伏流水の中で行われ、卵のう(寒天質の袋)を産みつけ、1つの卵のうには7〜15個の卵がはいっています。餌はミミズや小さな虫などを食べます。

参考

「レッドデータブックにいがた」で希少な両生類に指定されています。
渓流や渓流沿いに生活し、きれいな渓谷や河川の代表的な動物です。
サンショウウオは薬効成分があるとして、特に子供の疳の虫(男子にはオス、女子にはメスを用いる)に効くとして古くから珍重されているそうです。

イモリ【Cynops pyrrhogaster】(サンショウウオ目イモリ科)

イモリ写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    からだの大きさは7〜13cmで、背中は黒色または黒褐色でお腹は赤く不規則な黒い模様があります。繁殖期になるとオスは青紫色の婚姻色が尾を中心に現れます。
  • すみ場所
    本州、四国、九州に分布し、水田周辺や溜池、河川の淀み、溜まりなどにすんでいます。
  • 生活のようす
    産卵の時期は4〜7月、産卵場所は水中の草や枯葉などに1卵ずつ産卵します。餌は肉食性でオタマジャクシやサンショウウオの幼生、ミミズ、川虫(水生昆虫)などを食べます。

参考

「レッドデータブックにいがた」で希少な両生類に指定されています。
イモリは外敵から身を守るために耳腺から分泌物を出します。イモリを触った手で目をこすったりすると目が開けられないほどの痛みがあります。手で触れたときには必ず手を洗いましょう。

アズマヒキガエル【Bufo japonicus formosus】(カエル目ヒキガエル科)

アズマヒキガエル写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    からだの大きさは40〜47mmで大型のカエルです。からだの色は灰褐色で、繁殖期にオスは黄褐色になります。前肢や後肢は太く短く、大きな頭です。
  • すみ場所
    北海道南部(函館)、本州東北部(近畿及び山陰まで)、佐渡島、伊豆大島本州の近畿にすんでいます。海岸付近から高山まで広範囲におよび、公園や人家の庭などにもすんでいます。
  • 生活のようす
    繁殖期は2〜7月で、地域や標高によりばらつきがあります。産卵は池や水田などで 行われ、ひも状の卵塊(たまご卵のかたまり)を産みつけます。1つの卵塊には卵が1500〜8000個入っています。餌は虫やミミズ、サワガニをとって食べます。夜行性で単独生活しています。鳴き声はクックックック・・・・・と鳴きます。

参考

毒のあるカエルであるため注意が必要です。アズマヒキガエルは外敵から身を守るために耳腺から白い毒液を出します。さわってしまった時は必ず手を洗いましょう。

ヤマアカガエル【Rana ornativentris】(カエル目アカガエル科)

ヤマアカガエル写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    からだの大きさは40〜80mmで中型のカエルです。からだの色は黒褐色から赤茶色です。アカガエルに比べ頭の幅が広く鼻先が丸みを帯びています。
  • すみ場所
    本州、四国、九州、佐渡島に分布し、平地から丘陵地の水田や湿地、山間部などにすんでいます。
  • 生活のようす
    繁殖期は2〜6月で、産卵は水田や渓流部の止水、池や沼、湿地などの浅い場所で行われ、ややつぶれた球状の卵を1000〜1900個産みつけます。小さな虫やクモ類をとって食べます。鳴き声はキャララ、キャララ・・・・・と鳴きます。

参考

この地域を代表するカエルです。
ニホンアカガエルに似ています。違いのひとつには、ヤマアカガエルは耳近くの側線がV字に折れ曲がっているところで判別できます。また、ニホンアカガエルのオスは鳴いている時は、のどが膨らみません。

タゴガエル Rana tagoi tagoi】(カエル目アカガエル科)

タゴガエル写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    からだの大きさは30〜50mmで小型のカエルです。からだの色は黒褐色から茶褐色で前肢や後肢はやや太くて短く、ずんぐりし体形をしています。
  • すみ場所
    本州、四国、九州にすんでいます。山地から高山帯までの森林や高山、 草原などにすみます。
  • 生活のようす
    繁殖期は3〜7月で、産卵は渓流沿いの伏流水、沢の岩などの下で行われ、白い卵を30〜160個産みつけます。幼生(オタマジャクシ)は何も食べずに卵黄を栄養だけで育ち、幼体(子ガエル)になります。成体(カエル)は小さな虫やクモ類をとって食べます。鳴き声はググーググー・・・・・と鳴きます。

参考

山地を代表するカエルですが、隠れているので一般的にはあまり知られていないようです。春先の林道脇の渓流や沢などで、耳をすましてさがしてみてください。斜面の横穴や石の下で鳴くため姿が見えなくても、鳴き声はちょっとおもしろい声で、わかりやすくよく聞こえます。

カジカガエル【Buergeria buergeri】(カエル目アオガエル科)

カジカガエル写真
現地撮影
  • からだの特徴
    からだの大きさはオスが4〜7cm、メスが4〜8cmです。体型は平たく、指先に吸盤を持ち、後肢のみ水かきを持っています。からだの色は同じアオガエル科のモリアオガエルなどと違い、灰褐色をしていて、緑色になることはありません。
  • すみ場所
    本州・四国・九州に分布しています。日本固有種です。山地の開けた渓流沿いの森林にすみ、木の上や崖などでくらします。
  • 生活のようす
    繁殖期は4〜7月で、河原からオスの「フィフィフィフィフィフィ」というすんだ美しい声が聞こえてきます。夜行性ですが、繁殖期には昼間でも見ることができます。幼生(オタマジャクシ)は発達した口で岩に吸い付いて、藻類をけずりとって食べます。成体(カエル)になってからは小さな虫やガ類をとって食べます。

参考

「レッドデータブックにいがた」で希少な両生類として指定されています。
渓流や渓流沿いに生活し、きれいな渓谷や河川の代表的な動物です。江戸時代には美声を楽しむために籠に入れて飼育して鳴き声比べをしたほど流行したと言われています。