実川・馬取川の生きもの

植物群落

ツルヨシ群落(ツルヨシ群集)

ツルヨシ群落(ツルヨシ群集)写真
現地撮影

生態情報

  • 草地の特徴
    河畔にみられる草原群落で、おもにツルヨシが生育しています。草の高さは1.5〜2mぐらいで、密集して生えています。
  • 草地ができる場所
    海岸付近から亜高山帯の河畔に分布します。河川の上流部から下流部にかかわらず、川辺などの砂や石が堆積した場所にできます。
  • 草地のよう
    群落は季節による水位の変動や洪水により、水に浸かったり、なぎ倒されたりします。しかし、ツルヨシのツルは地上を長くはい、河原の石などにしばりつけるため、流れの強い場所でも定着して群落をつくることができます。流れの緩やかな場所や砂や泥が堆積する場所ではヨシと一緒に生えることも多くあります。

ブナ-ミズナラ群落

ツルヨシ群落(ツルヨシ群集)写真
現地撮影

生態情報

  • はやしの特徴
    山地帯で最も広く分布する高木の落葉広葉樹の群落です。この群落には、おもにブナ、ミズナラなどが生育しています。
  • はやしができる場所
    北海道南部から九州に分布し、北海道南部と東北地方では平地に見られますが、関東地方より西では山の中腹にみられます。河畔に限って発達する群落ではなく、山地に広く分布する群落で、土や落ち葉の層が厚い場所にできます。
  • はやしのようす
    この群落は自然の極相林であり安定した林です。ブナ-ミズナラ群落は、本来、山地帯に最も広く分布していたと思われますが、薪炭材(まき)などの利用によって人の手が入ったため多くの林がクリ―ミズナラ群落やコナラ群落へと移行し、現在では落葉広葉樹の高木林のうちでも山の上のほうに分布が限られています。

参考

河畔にみられる群落ではありませんが、「植物群落レッドデータブック」で「要注意」に選定されているなど、山地帯にみられる群落の中で重要な群落の一つにあげられます。

ケヤキ群落

ツルヨシ群落(ツルヨシ群集)写真
現地撮影

生態情報

  • はやしの特徴
    渓畔または山地の河畔にみられる高木の落葉広葉樹の群落です。この群落には、おもにケヤキ、カエデ類などが生育しています。
  • はやしができる場所
    おもに河川の上流部で、流れが緩やかになった地点の幅の広い氾濫原、または渓谷部のV字谷に土砂が堆積してできた谷底の氾濫原の小高い場所やその斜面にできます。
  • はやしのようす
    ケヤキ群落は、川岸、渓谷、そして急な斜面上といくつかの場所にできますが、渓谷は適している場所であり、土の湿った不安定な急傾斜地にカエデ群落などとともに生えます。またシデ類などとともに、ブナ帯の下の林としてできる事もあります。ケヤキとともに、エゾエノキ、オニイタヤ、ケケンポナシ、オニグルミなどをともない、一緒に生える種類が多い場合があります。

参考

河畔にみられる特徴的な群落であるとともに、動物の餌やすみ場所などとしても重要な群落の一つにあげられます。