実川・馬取川の生きもの

昆虫類

エルモンヒラタカゲロウ【Epeorus latifolium】(カゲロウ目ヒラタカゲロウ科)

エルモンヒラタカゲロウ写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    からだの大きさが9mm、はねの長さが11mmぐらいのカゲロウです。からだの色はうす薄い茶色です。はねは透明で、前ばねには名前の由来となるL型にみえる紋があります。幼虫は15mmぐらいの大きさで、平たいからだをしています。目はからだの上のほうについていて、尾は2本です。
  • すみ場所
    北海道・本州・四国・九州に分布しています。きれいな河川の上流から下流まで広くすんでいて、幼虫は水の中で、成虫は陸上で生活しています。幼虫は流れの速い場所からみつかり、石をひっくり返してみると、石の裏面を動き回るようす様子を見ることができます。
  • 生活のようす
    成虫は年2回以上発生し、5〜7月と9〜10月ごろにみられます。成虫の寿命は数日と短く、夜に明かりにと飛んできます。幼虫は平たいからだをしているため、流れのはや速い中でもすばやく移動することができます。幼虫は水の中の藻類や動植物の破片などを食べますが、成虫はなにも食べません。

参考

河川環境をみるうえで指標となる虫で、「きれいな水」にすむ種類とされています。ヤマメなどの渓流釣りの餌として、「チョロムシ」という名で 親しまれています。

フタバコカゲロウ【Baetiella japonica】(カゲロウ目コカゲロウ科)

生態情報

  • からだの特徴
    からだの大きさが5mm、はねの長さが7mmぐらいの小さなカゲロウです。からだの色は薄い茶色で、はねは透明です。幼虫は3〜8mmぐらいの大きさで、淡い褐色をしています。目はからだの上のほうについていて、尾は2本です。卵の形をした鰓が1枚ずつついているのが特徴です。
  • すみ場所
    北海道・本州・四国・九州に分布しています。きれいな河川の上流から中流にすんでいて、幼虫は水の中で、成虫は陸上で生活しています。幼虫は流れの速い場所からみつかり、石をひっくり返すと、わらわらと動く姿がみられます。
  • 生活のようす
    成虫は年1回以上発生し、5〜7月と9〜10月ごろにみられます。成虫の寿命は数日と短く、夜に明かりにと飛んできます。幼虫は水の中の藻類や動植物の破片などを食べますが、成虫はなにも食べません。

参考

河川環境をみるうえで指標となる虫で、「きれいな水」にすむ種類とされています。

ムカシヤンマ【Tanypteryx pryeri】(トンボ目ムカシヤンマ科)

ムカシヤンマ写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    おなか腹(はねのつけねからお尻の先まで)の長さが44〜54mm、はねの長さが40〜47mmぐらいの大型で太めのトンボです。からだの色は黒色で黄色の紋があります。
  • すみ場所
    本州・九州に分布しています。すんでいる場所は、池や川などの水の中ではなく、平地から山地の斜面やガケのわき水がしたたり落ちるような場所にすんでいます。幼虫(ヤゴ)は湿ったコケや土の中にトンネルを掘って生活しています。
  • 生活のようす
    成虫は年1回、5〜6月ごろにみられ、羽化した場所をほとんど離れません。
    成虫の動きはおそく、とまっていることが多いため、簡単に捕まえることができます。幼虫の期間は長く、3〜4年かかると考えられています。幼虫は水の中の小さな生きものを、成虫は小さな虫を捕まえて食べます。

参考

ジュラ紀(2〜1.5億万年前)に生きていた大昔のヤンマ類と同じ特徴を持った種類と考えられています。日本には「ムカシ」と名前のついたトンボにはもう一種類「ムカシトンボ」がいて、「生きた化石」と呼ばれ、山地の渓流にすんでいます。

アキアカネ 【Sympetrum frequens】 (トンボ目トンボ科)

アキアカネ写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    お腹(はねのつけねからお尻の先まで)の長さが23〜31mm、はねの長さが26〜34mmぐらいのトンボです。いわゆる「赤トンボ」と呼ばれるトンボのなかま仲間で、成熟すると鮮やかな赤色になります。羽化したばかりのものは褐色です。
  • すみ場所
    北海道・本州・四国・九州などに分布しています。幼虫(ヤゴ)は水の中で、成虫は陸上で生活していて、成虫は平地から山地のいろいろな場所に普通にみられますが、幼虫は水田や池沼にすんでいます。
  • 生活のようす
    成虫は年1回、6月ごろに羽化しますが、夏の間は高い山などへ移動して過ごします。秋季になると再び水田や池沼などに移動し、卵を産みます。幼虫は水の中の小さな生きものを、成虫は小さな虫を捕まえて食べます。

参考

秋になるとからだが赤くなる、いわゆる「赤トンボ」と呼ばれるトンボは20種類ぐらいいますが、数の多いしゅるい種類の一つです。アキアカネは夏に高い山へ移動し、秋になると平地におりるので、夏にトンボの集まる高い山では、集まってきたトンボにマークをつけて放し、秋にどこまでと飛んでいくかを調べたりしています。

ノシメトンボ【Sympetrum infuscatum】(トンボ目トンボ科)

生態情報

  • からだの特徴
    お腹(はねのつけねからお尻の先まで)の長さが25〜32mm、はねの長さが28〜37mmぐらいのトンボです。いわゆる「赤トンボ」と呼ばれるトンボの仲間で、成熟すると鮮やかな赤色になります。羽化したばかりのものは褐色です。はねの先に黒い部分があります。
  • すみ場所
    北海道・本州・四国・九州などに分布しています。幼虫(ヤゴ)は水の中で、成虫は陸上で生活していて、成虫は平地から山地のいろいろな場所に普通にみられますが、幼虫は水田や池沼にすんでいます。
  • 生活のようす
    成虫は年1回、6月ごろに羽化しますが、夏の間は高い山などへ移動して過ごします。秋季になると再び水田や池沼などに移動し、卵を産みます。幼虫は水の中の小さな生きものを、成虫は小さな虫を捕まえて食べます。

参考

秋になるとからだが赤くなる、いわゆる「赤トンボ」と呼ばれるトンボは20種類ぐらいいますが、アキアカネと並んで数の多い種類の一つです。

モンカワゲラ【Calineuria stigmatica】(カワゲラ目カワゲラ科)

生態情報

  • からだの特徴
    からだの大きさが17〜22mmぐらいの大きなカワゲラです。からだの色は黄褐色から黒褐色です。幼虫は30mmぐらいの大きさで、平たいかたちをしています。からだの色は黄色で褐色の模様があり、頭の中央部分にはW字型の模様があります。
  • すみ場所
    北海道・本州・四国・九州に分布しています。きれいな河川の上流にすんでいて、幼虫は水の中で、成虫は陸上で生活しています。幼虫は流れのやや速い場所の石の下からみつかります。
  • 生活のようす
    成虫は年1回発生し、夏にみられ、夜は明かりに飛んできます。はっきりした生活のようすはわかりませんが、一般にはカワゲラの仲間の成虫の寿命は2週間ぐらいと短く、餌も食べません。一方、幼虫の期間は2〜3年ぐらいと長く、水の中の小さな虫などを食べていると考えられています。

参考

河川環境をみるうえで指標となる虫で、「きれいな水」にすむ種類とされています。
カワゲラの幼虫はからだの大きい種類が多いため、よく渓流釣りの餌にしよう使用されます。