実川・馬取川の生きもの

植物

ワサビ【Eutrema japonica】(アブラナ科)

ワサビ写真
撮影:今井 建樹

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    地下の茎は太い円柱形で、多くの節があります。茎は直立し、高さ20~40cmになります。葉は直径6~12cmの円形で、波状の鋸歯(ギザギザ)がありま
    す。
  • 生えている場所
    北海道~九州の山深い水のきれいな渓流に生えています。
  • 花のようす
    冬は地下茎などで休眠し、翌年も花をつける多年草です。花の咲く時期は3~5月です。花は白色です。

参考

地下茎(根)は独特の香りがあり香辛料として利用されています。ワサビの辛味成分はアリルイソチオシアネートといい、殺菌効果があるため生ものと一緒に食べるとよいとされています。静岡県や長野県では広く栽培されています。

タマアジサイ【Hydrangea involucrata】(ユキノシタ科)

タマアジサイ写真
撮影:今井 建樹

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    高さ2mに達する落葉の低木です。葉の両面には硬い毛が生え、柄があり、楕円形で、先は尖り、縁に細かい鋸歯(ギザギザ)があります。
  • 生えている場所
    本州(福島県〜岐阜県)の主として太平洋側の山地の沢沿いのよく肥(こ)えたところに生えています。
  • 花のようす
    花の咲く時期は7〜9月です。花は集まって枝先につきます。花びらは、蕾(つぼみ)のときは紫色、のちに淡い紫白色になります

参考

「新潟県の絶滅のおそれのある野生生物」で絶滅きぐ危惧II類に指定されています。
名前のタマは、花が咲くまでつぼみが球形であることによります。

ツタウルシ【Rhus ambigua】(ウルシ科)

ツタウルシ写真
撮影:今井 建樹

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    ツタのようなツル植物で、若枝には褐色の毛がたくさんはえるが、大きくなると毛はなくなります。葉は3枚の小さな葉です。
  • 生えている場所
    北海道から九州の日本各地に分布します。ブナ林や暖温帯上部に生えています。
  • 花のようす
    雌雄異株(ひとつの花におしべとめしべがなく、雄花をつけるものと雌花をつけるものが別の株)で、花の咲く時期は6〜7月です。ツタのように気根と呼ばれる空気中に根を出して、木をはい上がります。

参考

ウルシはかぶれる植物で有名ですが、ウルシ類の中でも最も強烈なのがツタウルシです。人により差はありますが、火傷をしたように皮膚がただれてしまうこともあります。敏感な人は近づいただけでかぶれるので、3枚の葉のツタのようなものには注意しましょう。

トチノキ【Aesculus turbinate】(トチノキ科)

  • トチノキ写真1
    現地撮影
  • トチノキ写真2

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    高さ20〜30m、太さ2mに達する落葉樹です。葉は対生し、てのひら状の複葉で長い柄があります。小葉は5〜9個で、縁に細かい鋸歯(ギザギザ)があります。
  • 生えている場所
    北海道(札幌市手稲(ていね)および小樽市銭函(ぜにばこ)以南)、本州、四国、九州の低山地の渓流沿いの肥えたところに生えます。
  • 花のようす
    花の咲く時期は5〜6月です。花は直立する枝に集まってつきます。花びらは4枚で、白色で基部に淡い紅色の模様をつけます。

参考

流に生育する代表的な植物です。縄文時代の昔からクリやドングリとともに食糧として活躍し、山村の食生活に「とち餅」、「とち団子」という具合に利用されてきました。アクがかなり強いので、アク抜きを十分にして日陰で乾燥させて使います。

ツリフネソウ【Impatiens textori】(ツリフネソウ科)

ツリフネソウ写真
現地撮影

生態情報

  • 大きさ、葉の形
    高さ50〜80cmの一年草で、茎はやや赤みを帯び、節がふくらみます。葉は茎の1つの節から交互に葉が出ていて(互生)、楕円形、先は尖り、縁に鋸歯(ギザギザ)があります。
  • 生えている場所
    北海道〜九州の山ろくの水辺に生えています。
  • 花のようす
    花の咲く時期は8〜10月です。葉の腋から茎を斜めにのばして、紅紫色の花を多数つけます。

参考

やや湿ったところや水辺に広く生育している植物です。
名前のツリフネは、細い柄の先につり下がって咲く花の姿を、釣舟(つるして使う釣花生けのなかで舟形をしたもの)にたとえたものです。