実川・馬取川の生きもの

流域の概要

実川、馬取川の自然環境

阿賀野川(福島県では阿賀川)水系は栃木県と福島県の境にある荒海山(あらかいさん)に源を発し、新潟県・福島県・群馬県の3県にまたがる、流域面積7,710km2、流路延長(川の長さ)210kmで日本で10番目に長い河川です。水源地には支川日橋川(にっぱしがわ)の猪苗代湖(いなわしろこ)、只見川(ただみがわ)の尾瀬沼(おぜぬま)などの景勝地があります。

新潟県側の阿賀野川流域は上流部は越後山脈に接し、馬下(まおろし)から下流は広大な新潟平野に連なり海岸砂丘を経て日本海に注いでいます。気候は日本海的気候を示し、11月から2月までの間に雨や雪が多く、年間の降水量は上流部で2,300~2,500mm、下流部で1,800~1,900mmであり、特に冬期の積雪は県境の多いところで5mにもなります。そのため、3~5月の降水量が少ないにもかかわらず雪融け水による出水が続きます。

実川は、その水源を飯豊山(いいでさん)(2,105m)、御西岳(おにしだけ)(2,025m)等をつら連ねた稜線に発し、阿賀野川に合流する流域面積122km2、流路延長24kmの河川で、鹿瀬町(かのせまち)を北から南に流れています。

馬取川は、その水源を高陽山(たかようやま)(1,127m)に発し、阿賀野川に合流する流域面積16km2、流路延長10kmの河川で、実川と同じ様に鹿瀬町を北から南に流れています。実川、馬取川流域の地質のほとんどは花崗岩です。実川・馬取川流域は飯豊山系の荒廃地より多量の土砂を流出し、阿賀野川本川の河床を高めて洪水氾濫を起こしやすい状態とする危険があります。

一方、このような険しい地形ではありますが、実川、馬取川は、磐梯(ばんだい)・朝日国立公園に属し、開発は非常に少なく、多くの自然が残っており、実川沿いの湯の島小屋付近にはブナ林も広がっております。また、実川渓谷という景勝地もあります。

あばれ川を砂防でやさしい川に!

砂防の仕事は、山の土砂がくずれたり、それが一気に流れ出したりするのをふせいで、災害が起こらないようにすることをいいます。上流からの土砂を止めるために砂防えん堤などをつくっています。

実川第1号砂防えん堤

生きものにも気をつけた砂防に

飯豊山系の山や川には、多くの植物や昆虫などの動物がいます。

大雨が降ると山間部で、がけくずれや土石流が発生する危険性が高いため、砂防施設をつくることは重要な役割をもっています。そこで、生きものにも気をつけた砂防の仕事をしています。

  • カワセミ
    カワセミ
  • ベニシジミ
    ベニシジミ