実川・馬取川の生きもの

昆虫類

クジャクチョウ【Inachis io geisha】(チョウ目タテハチョウ科)

クジャクチョウ写真
撮影:大野 豊

生態情報

  • からだの特徴
    はねを開いた時の幅が55mmぐらいの美しいチョウです。はねは橙色で、クジャクの羽根を思わせる「眼状紋」といわれる眼のような模様があります。はねの裏は黒褐色です。
  • すみ場所
    北海道と中部地方より北の本州に分布しています。おもに山地の日当たりのよい草原などに多くすんでいます。
  • 生活のようす
    成虫は年2回発生し、6月下旬〜10月までみられ、冬を過ごした成虫は次の年の春に再びあらわれます。飛びかたは速く、サクラ、タンポポなどの花の蜜を吸ったり、地上で水を吸ったりします。幼虫はカラハナソウ、ホソバイラクサなどの葉を食べます。

参考

草原をと飛んでいる姿が美しいチョウで、学名に「geisha(芸者)」というなまえ名前がつけられてます。

モンキチョウ【Colias erate poliographus】(チョウ目シロチョウ科)

モンキチョウ写真
撮影:大野 豊

生態情報

  • からだの特徴
    はねを開いた時の幅が45mmぐらいのチョウです。はねは黄色で前ばねの先のほうが黒くなっていて、後ろばねにはやや橙色の紋があります。メスにははねの色が白いものもいます。
  • すみ場所
    北海道・本州・四国・九州・南西諸島などに分布しています。海岸から高地のいろいろな開けた草地にすんでいて、家のまわり、畑、河原、あれ地などに普通にみられます。
  • 生活のようす
    成虫は年3〜5回、3〜11月ごろまでみられます。草地の上を活発にと飛びまわり、タンポポ、アザミ、シロツメクサなどのいろいろな花の蜜を吸います。幼虫はマメ科植物のいろいろな葉を食べます。幼虫で冬を過ごします

参考

モンシロチョウなどと並んで家や畑のまわり、河原などで最も普通にみられるチョウのひとつです。

ツマジロウラジャノメ【Lasiommata deidamia】(チョウ目ジャノメチョウ科)

ツマジロウラジャノメ写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    はねを開いた時の幅が55mmぐらいのチョウです。はねは褐色で蛇の目のような紋があり、また、前ばねには表裏とも白紋がありよく目立ちます。
  • すみ場所
    北海道・本州・四国に分布しています。本州では標高800〜2000mに多くみられ、おもに渓谷沿いのガケ地などにすんでいます。
  • 生活のようす
    成虫は温暖な地方では年3回、寒冷な地方では1〜2回発生で、5〜9月にみられます。岩場にはねを半開きにしてとまったり、ヒメジョオンなどの花を訪れます。幼虫はイネ科のヒメノガリヤスの葉を食べます。成虫で冬を過ごします。

参考

ガケ地のあるような山地の渓流環境と関わりを強く持った虫のひとつです。

オニグルミノキモンカミキリ【Menesia flavotecta 】(コウチュウ目カミキリムシ科)

生態情報

  • からだの特徴
    からだの大きさは6〜10mmぐらいのきれいなカミキリムシです。からだの色は黒色ですが、黄色の毛がたくさんあり、黄色に黒い帯があるように見えます。足と触角は明るい黄褐色です。
  • すみ場所
    北海道・本州・四国に分布していてます。おもに河原や湿地などに生えるクルミ類にすんでいます。
  • 生活のようす
    成虫は5〜8に発生し、特に6月に多くみられます。成虫はオニグルミやサワグルミなどの葉を食べます。

参考

河川の渓流に沿って生育するクルミ類を食べるため、河川環境とかか関わりを強く持った虫のひとつです。

キイロスズメバチ【Vespa simillima】(ハチ目スズメバチ科)

生態情報

  • からだの特徴
    からだの大きさは女王バチが25〜28mmぐらい、はたらきバチが17〜24mmです。
    からだの黄色の紋が発達していて、全体黄色のものもみられます。刺す針は女王バチとはたらきバチが持っています。
  • すみ場所
    北海道・本州・四国・九州に分布しています。スズメバチの中では平地から低い山にかけて最も普通にみられ、巣は木の枝、ガケ、軒下、土の中などに造られます。
  • 生活のようす
    女王バチは5月から、はたらきバチは6月から、オスと新しい女王は10月ごろに出現します。巣はスズメバチのなかでは最も大きくなり、ピーク時にははたらきバチの数が400〜1400匹に、巣の大きさは直径40〜80cmにもなります。おもにいろいろな虫やクモなどを餌にしたり樹液や花にも集まります。

参考

キイロスズメバチはスズメバチの中では最も普通で、攻撃性も強く危険です。花にきているものをよくみかけますが、それらからは特に逃げる必要はありませんが、餌がないのにたくさん見かける場合は、近くに巣がある可能性があるのでその行動に注意し、刺激を与えないようにして、そこから立ち去ることが必要です。