実川・馬取川の生きもの

鳥類

ミソザザイ【Troglodytes troglodytes】(スズメ目ミソサザイ科)

生態情報

  • からだの特徴
    よくとおる美声でさえずる、早口の小鳥です。体は茶褐色で、スズメより小さく姿を確認しづらい鳥です。短い尾をもち、常に尾を立てたり下ろしたりしています。
  • すみ場所
    全国で繁殖しています。冬に積雪のある地方では南に移動します。倒木や岩のすき間の多い暗い林を好むため、山地の沢沿いや高山の針葉樹林などの急斜面に生息します。
  • 生活のようす
    物陰や岩のすき間にいるクモや虫をと捕るため、地上中心の生活をします。一夫多妻で、オスは縄張り内にいくつかの巣を作り、同時か順番に複数のメスと繁殖します。巣は苔で作ります。

参考

この小さな体のどこからでるのか不思議なほど大きな声でさえずります。

ウグイス【Cettia diphone】(スズメ目ウグイス科)

ウグイス写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    ホーホケキョと春を告げる、スズメより小さな小鳥です。背中は褐色でいわゆるウグイス色とは違います。おなか側も灰白色で全体的に地味で、鳴き声の割に姿を見つけづらい鳥です。
  • すみ場所
    日本全国に分布し、あちこちで繁殖していますが、ササ藪がないと繁殖できません。日本では天然林を切り払うと、ササ藪になることが多く、その後ウグイスのさえずりがよくかれます。
  • 生活のようす
    やぶの中を枝移りしながら、葉にとまった昆虫などを食べます。初春にさえずりが低地で聞かれた後、山地や丘陵地に移動し繁殖します。5〜6月に背の低い木やササに、ススキやササの枯葉で球形の巣を作ります。ホトトギスに托卵されることがしばしばあります。

参考

ケキョケキョと長く続く声を出すことがあります。これは谷渡りと呼ばれ、周囲を警戒しているときに出す声です。また冬はササ鳴きと呼ばれる声で鳴き、ジャッツジャッツと聞こえます。なお、ウグイス色といいますが、本来はメジロの背中の色を指します。

オオルリ【Cyanoptila cyanomelana】(スズメ目ヒタキ科)

オオルリ写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    目のさめるような瑠璃色(青色)の背を持つ美しい鳥です。オスは背中が青、顔と胸が黒、腹が白ととても目立ちます。反対にメスは茶褐色の背中で地味です。
  • すみ場所
    北海道から九州の丘陵地、山地に夏鳥としてやってきます。つがい(夫婦)で縄張りを持ち、オスは縄張り内の背の高い木の梢で縄張り宣言のさえずりを行います。谷沿いのよく茂った林を好み、崖や石垣のくぼみにコケで出来た椀型の巣を作ります。
  • 生活のようす
    木から飛び立ち空中の虫を捕まえます。これをフライングキャッチと呼びます。また葉についている虫などもよく捕ります。オスのさえずりは大変美しく、いくつかの替え歌を持ちます。一説によると、替え歌の豊富なオスのほうがメスにもてるようです。

参考

鳴き声の美しさから、日本三鳴鳥と呼ばれ、よく飼育されてきましたが、現代では飼育はできません。ホトトギスの仲間のジュウイチという鳥は、オオルリを托卵(たくらん)相手にしています。

シジュウカラ【Parus major】(スズメ目シジュウカラ科)

シジュウカラ写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    胸に黒いネクタイをしたカラ類の仲間です。カラ類の中でも最も身近な鳥といえます。オスのネクタイは太く、メスのネクタイは細いです。
  • すみ場所
    日本でも、ほぼ全国で普通に繁殖します。町の公園や住宅地から山地の林など広くみられます。
  • 生活のようす
    繁殖期にはつがいで縄張りを持ち、子育てをします。この時期は木の枝につく虫などを捕まえます。冬になると他の種類の小鳥たちと群れを作ります(混群といいます)。この中でシジュウカラは地面にいる虫を捕まえることが多くなります。

参考

春になるとツツピーツツピーとさえずるのがよく聞かれます。
ジュクジュクジュクと近くで言われたら、シジュウカラに警戒されています。
あまりじろじろ見ないで、そっとはな離れて観察しましょう。

ホオジロ【Emberiza cioides】(スズメ目ホオジロ科)

キセキレイ写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    木のてっぺんや電線などで高らかにさえずる、春を告げる小鳥です。オレンジ色の胸が印象的です。
  • すみ場所
    日本でも、ほぼ全国で普通に繁殖します。草木のある開けたところが好きで、草地や河原、明るい林のヘリなどにいます。
  • 生活のようす
    地上をはね歩いて、地面に落ちている草の種などを食べます。繁殖期になると、縄張りを持って子育てします。この時期には虫を捕ってヒナに与えます。

参考

さえずりのバリエーションは多く、ホオジロのすんでいるところによっても違います。

カケス【Garrulus glandarius】(スズメ目カラス科)

カケス写真
現地撮影

生態情報

  • からだの特徴
    翼に青い羽根を持つ、物まね上手なカラスの仲間です。頭は白地に黒のたて縦のバーコードです。顔と翼の部分が黒くなっています。
  • すみ場所
    日本でも全国に普通に繁殖しています。北のものは冬、暖地に移動します。 丘陵地へ山地の林に生息します。特によく茂った林を好むようです。
  • 生活のようす
    おもにドングリなどを食べますが、カラスの仲間だけに何でもよく食べ、木の枝についた虫や小鳥のヒナなども食べてしまいます。秋になるとドングリを隠して溜め込みますが、忘れてしまうことも多いようです。忘れられたドングリは芽を出して、育っていきます。

参考

普段はジューとかギャーとか鳴いていますが、他の鳥の鳴きまねをよくします。特に近くにタカの巣があると、タカの鳴きまねをよくしています。