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ダム博士のQ&A

Q 大町ダムは見るからにドッシリと安定しているけれど、その安全性はどうなっているのですか?また、地震などに対してもほんとうに安全なの?


A みんなも知っているように、ダムは川をせき止め、大量の水をためる大型で重要な構造物なんだ。もし、ダムが決壊すれば、たまっている水が一気に流れ出し、下流に計り知れない被害を及ぼすことが考えられる。  だから、ダムは強固で、決して壊れないように設計されているんだけど、これを分かりやすく説明しよう。

大町ダムはコンクリート重力ダムと呼ばれるダムで、ダム自身の重さによってためた水の圧力を支える構造になっている。  図のように、ダムは外力に対して1.転倒しないこと 2.滑動しないこと 3.沈下しないことの3つの条件を満たしていなければならない。ダムの場合、外力とは、ためた水の水圧がほとんどだけど、地震時のゆれも外力として作用するため、これを考慮して設計されているんだ。  
でも、それにはダム全体が均等の品質で一体となっていることが基本。だから、ダム建設には品質を確保するために、専用のコンクリートプラントを設けて厳しい品質管理、施工管理を行っているんだよ。  ほかにも、建設前に基礎岩盤の強さや割れ目の状況、水の透水性について十分に調査し、所定の強度までの掘削や不足した場合には改良を行い、ダムの耐震性についても、地表面に生ずる変位(ずれ)と地震動(ゆれ)の2点について徹底した分析調査を進め、厳しく安全性を追求しているよ。  事前の入念な地形や地質調査により、ずれが生ずるような断層上には建設しないし、ゆれに対しても、ダムサイトの地質とダム型式別に設計震度を決めているので、近年の淡路島北部を震源とするマグニチュード7.2という大地震発生時にも、ダムの安全性に影響を及ぼすような被害がなかったことが報告されている。  
このように、大町ダムは大災害にも強い構造を持っているけど、自然現象は複雑なので、ふだんの安全確認には細心の注意をはらいながら、データの集積を行い、より安全なダムをめざしているんだよ。


Q 龍神湖の水って、とてもキレイなエメラルド色をしているけど、どうしてあんな色になるの?


A 高瀬渓谷に分布する花崗岩は、長い間に少しずつ風化して崩れていくんだよ。その花崗岩に含まれている長石の結晶が粘土化したものと、高瀬川上流から流れてくる硫黄の粒子が混ざりあって、あの美しい水の色を作り出しているといわれているんだよ。


Q ダムの水門はいくつ?


A 水門(ゲート)は「クレストゲート」「コンジットゲート」「ジェットフロー放流管」の3つがあり、ダムの水量によって使い分けているよ。



Q どうして、高瀬川に「大町ダム」がつくられたの?


A 日本アルプスの槍ヶ岳(3,180m)から流れ出て、下流で犀川、千曲川と合流して新潟県に入り信濃川と名前を変え日本海に注ぐ高瀬川は、昔から、川の流れが絶えず変化する暴れ川で、洪水が多く、大雨が降ると水があふれ、まわりの家や田んぼ、畑が水に埋もれてしまうことが度々あったんだ。  
川の水は田んぼや飲み水にも利用されてきたけれど、雨が降らない時には水が不足するため、大雨の時には水をせきとめ、水不足の時には水を流し、人々の安全を確保し地域が発展するために高瀬川にダムが造られたんだよ。


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