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大川ダムについて

ダム試験運用

大川ダムの試験運用で渇水に大きな効果が発揮されました。

1.平成21年の渇水の概要

平成21年は、希に見る少雪の年で、早くから渇水の懸念がありました。また、5月から7月中旬にかけて、阿賀川流域ではほとんど雨が降らず、深刻な渇水となりました。
(積雪量・降水量の状況図)

大川ダム流域の月別降水量

(月総降水量 単位:mm)

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
平均値 69.2 44.1 55.7 59.7 88.5 122.1 192.0
平成21年 78.0 36.0 34.0 92.0 35.0 75.0 146.0
(平年比) 113% 82% 61% 154% 40% 61% 76%

※平均値は平成元年~平成20年までの20年間の平均

このため、次の対策を採ることとしました。

  1. 大川ダムからの利水放流量を見直す
  2. 大川ダムの年間運用水位を試験的に変える

2.平滑化放流量(利水放流の平滑化)の見直し(1.について)

大川ダム利水者のご理解の下に、近年の取水実態に合わせて大川ダムからの利水放流量を見直したものです。(平滑化放流量の比較図)

※平滑化放流量は「大川ダム利水者の必要水量」+「河川の維持流量」を確保するために、大川ダムからの放流量を一定に保つ目標値です。

3.大川ダムの試験運用の概要(2.について)

これまでは、洪水期(6月21日~10月10日)に向けて、大川ダムの水位を引き下げる操作を行ってきました。これは、洪水を適切に調節するために必要な措置です。

平成21年は、早期から渇水が予想されたことから、この操作を改め、梅雨期(6月21日~7月31日)に限り水位を3m上げることが出来るように運用しました。これは、梅雨期には阿賀川の出水が台風期ほど大きくならないことを考慮したものです。
(ダム水位の年間運用図)

3.大川ダムの試験運用の効果

試験運用を行った結果、7月27日に雨が降り渇水が解消されるまで、ほぼ必要な渇水補給を行うことが出来ました。(平成21年の運用図)

なお、7月下旬の数日間だけは必要量を補給できませんでしたが、これは更なる渇水の長期化に備えて、大川ダムの利水放流量を絞ったものです。

この結果を過去の大渇水と比較すると、次のようになります。

※ 期間:5月10日~7月26日

(単位:mm)

  総流入量 補給総量 不足総量
平成2年 105.43 13.88 13.88
平成6年 101.08 11.92 7.70
平成21年 89.95 13.30 0.88

結果として、平成21年の大川ダムへの流入量は、大渇水だった平成2年、平成6年と比較して少なかったにも係わらず、平滑化放流量の見直しと大川ダム水位の試験運用の組み合わせにより、極めて効果的に渇水に対処でき、地域の水利用にほとんど支障が生じませんでした。(不足総量が少なくすんだ)

(参考:平成2年の運用図平成6年の運用図

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