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地すべりと集落の暮らし

・地すべりと集落の暮らし
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>> 西会津町と滝坂・銚子ノ口
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>> 昭和24年の滝坂地すべり
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>> 笹川の架橋と地すべり
>> 銚子ノ口の「幻の橋」
>> 地すべり対策工事等
>> おわりに

・資料集
>> 坂地すべりによる住宅移転の経緯
>> 新郷村字滝坂の一大惨害
>> 地すべりによる荒廃状況
>> 昭和24年地すべり当時の日記

●地すべり対策工事等

 昭和三十三年に滝坂が「地すべり防止区域」に指定され、福島県喜多方建設事務所により対策工事が行われてきた訳ですが、日本でも有数の規模の大きさから、平成八年度からは国(当時建設省)直轄で対策工事が行われています。これまでの記憶に残っている工事をいくつか紹介しますと、

  ◆ 笹川排水トンネル工事 ◆

 この工事は、地すべりにより閉塞した笹川の水を排水トンネルで阿賀川に排出し、洪水時の被害を避けようとして計画したもので、平成元年に工事に着手しました。
 トンネルルート上の地質が「川底」といわれる昔の河川敷のため、玉石や砂利が多く極めて困難な工事となりましたが、一年半かけて長さ約百七十メートルのトンネルを完成させました。

  ◆ 湯出野排水路工事 ◆

 平成二年当時、地すべりにより大石出口、湯出野沢に大規模な池ができました。その池の水が各沢づたいに流出し、あちこちの沢で水溜りが多数できた訳です。もし、この水が地下に浸透すれば地すべりを引き起こす要因に成りかねないので、排水工事を要望し、大石出口から湯出野奥の田まで、沢の表面にコルゲート排水路を設置し排水することとなりました。

  ◆ 袖ノ沢排水トンネル工事 ◆

 袖ノ沢排水トンネルは平成六年から七年に、沼田の畑地より袖ノ沢に向かって施工され、その長さは約七百八十メートルです。
 工事はトンネル抗口である沼田の畑地の広場を借地し、生コンプラントを建設。トンネル掘削ズリの搬出や人員輸送にはトロッコ電車を使用しました。また、平成十二年にはトンネル坑内に照明が取り付けられ、一般の人たちもトンネル坑内を見学できるようになりました。

  ◆ 国の直轄事業化に伴う着工式 ◆

 平成九年十月二十二日、滝坂地すべり事業直轄事業の着工式が、直轄として最初の工事である「下沢の目集水井W‐1工事」現場で盛大に執り行われました。出席者は地元選出国会議員を始め、新潟、福島両県知事、阿賀川及び阿賀野川沿川の市町村長や議会議員、阿賀野川工事事務所職員、地元関係者などおよそ百名を数えました。
 式典会場入り口の道路には、杉の葉を利用して作った門柱を建てて来賓を迎えたほか、この日を記念して、地元新郷小学校の児童や地元住民によるタイムカプセルが現地に埋設されました。

  ◆ 下沢の目集水井工事 ◆

 平成十年に下沢の目集水井W‐1からW‐5が完成し、集水した地下水を笹川に排水することができました。中でもW‐3集水井が一番深く約六十一メートルあり、ここを現場見学の場所として東屋や周辺の整備が行われました。この一連の工事が完了したことで、地元住民は安心して生活出来る日々に大変感謝をしたものです。



タイムカプセル埋設
タイムカプセル埋設
直轄事業着工式
直轄事業着工式

 


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