ダムの種類・豆知識

ダムの種類

アーチダム

弓形に張り出したアーチ場の堤体を生かして、水圧を両岸の岩盤で支えるように築いています。谷幅の狭いV字型の地形に適しており、重力ダムに比べて丈夫な岩盤が必要とされますがダムの厚みを薄くして、コンクリートの量を少なくすることができます。
(裾花ダム、黒部ダム、温井ダムなど)

アーチダム

重力式コンクリートダム

ダムの堤体そのものの重さで、水圧などの力に堪える構造のダムです。形が簡単で様々な地形に合わせることができるため、日本では最も多く用いられています。ダムにかかる水の重さをダムの重さで受け止めるため、コンクリートの重さに耐えられる地盤の強さがないと建設ができません。
(大川ダム、奥只見ダム、田子倉ダムなど)

重力式コンクリートダム

ロックフィルダム

岩石などを積み上げてつくるダムです。内部に水を通さないように、粘土を盛り立てています。
(三国川ダム、徳山ダム、高瀬ダムなど)

ロックフィルダム

アースフィルダム

日本で古くから灌漑用に多くつくられてきたダムで、土を主材料としており、高さは40m程度が限界とされています。高いダムを建設することはできませんが、軟弱な地盤にも建設が可能です。
(長沼ダム、清願寺ダム、中里ダムなど)

バットレスダム

鉄筋コンクリート製の遮水版と、鉄筋コンクリート製のバットレスと呼ばれる壁で水圧を基礎地盤に伝える構造のダムです。重力ダムと比べて少ないコンクリート量で建設できますが、複雑な構造になります。
(丸沼ダム、笹流ダム、恩原ダムなど)

中空重力式ダム

重力式コンクリートダムと同様にダム自身の重さで水圧を支えますが、内部を空洞にすることでコンクリート量が削減されています。しかし、複雑な形のため、施工が難しくなっています。
(畑薙第1ダム、金山ダム、井川ダムなど)

ダム豆知識

ダムの高さくらべ

順位 名前(所在地) 堤高(m) 完成年
1位 黒部ダム(富山県) 186.0 1961
2位 高瀬ダム(長野県) 176.0 1979
3位 徳山ダム(岐阜県) 161.0 2007
4位 奈良俣ダム(群馬県) 158.0 1990
5位 奥只見ダム(福島県) 157.0 1960
6位 浦山ダム(埼玉県) 156.0 1998
6位 宮ケ瀬ダム(神奈川県) 156.0 2000
6位 温井ダム(広島県) 156.0 2004
9位 佐久間ダム(静岡県) 155.5 1956
10位 奈川渡ダム(長野県) 155.0 1969

三国川ダム(119.5m)

ダムの貯水池の大きさ比べ(総貯水量)

順位 名前(所在地) 総貯水量(千m3) 完成年
1位 徳山ダム(岐阜県) 660,000 2007
2位 奥只見ダム(福島県) 601,000 1960
3位 田子倉ダム(福島県) 494,000 1959
4位 夕張シューパロダムJ(北海道) 433,000  
5位 御母衣ダム(岐阜県) 370,000 1961
6位 九頭竜ダム(福井県) 353,000 1968
6位 池原ダム(奈良県) 338,000 1964
6位 佐久間ダム(静岡県) 326,848 1956
9位 早明浦ダム(高知県) 316,000 1977
10位 一ツ瀬ダム(宮崎県) 261,315 1963

三国川ダム(27500千m3)

参考文献:(財)日本ダム協会「ダム便覧2003」より


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国土交通省北陸地方整備局

三国川ダム管理所

〒949-6741 新潟県南魚沼市清水瀬686-59
Tel 025-774-3015 / Fax 025-774-3092