流域の特性
地形・地質
高瀬川流域が含まれる北アルプスとその周辺では、地中で冷え固まり隆起した花崗岩類が多く見られます。様々な年代の花崗岩類が分布するのは国内でも他にはないと言われています。
北アルプスでは、冬季の北西からの強い季節風と積雪により、東側斜面は浸食を受けやすく傾斜が急であり、東西で非対称な地形が形成されています。
また、北アルプスは地下での火山活動も盛んであり、地下の熱作用から湯俣温泉、葛温泉が湧いています。
高瀬川の谷は、花崗岩質、厳しい気象条件による浸食作用、地下の熱作用などから崩壊が発達し、特に上流の湯俣川、水俣川、不動沢、濁沢などは斜面崩落、土砂流出が発生しやすくなっています。
植生
高瀬渓谷の上流部一帯の植生は標高の高い方から順に、高山帯の丈の低い植生、針葉樹林を中心とした亜高山帯の植生、落葉広葉樹林の卓越する山地帯の植生の3つに区分されます。
大町ダムの天端(標高906m)からは、その上流の高山帯の植生や亜高山帯の植生も垣間見ることができますが、目の前の景色の多くを占める植生は、夏緑広葉樹林帯の植生です。ミズナラ、ブナ、コナラ、カエデ類などの夏緑広葉樹が斜面の多くを占め、尾根筋などにアカマツ、ツガなどがみられます。
亜高山帯の植生
亜高山帯広葉樹林/亜高山帯針葉樹林