鬼ヶ城砂防堰堤は常願寺川本川の河口から37.9km地点に位置し、鬼ヶ城大崩壊および右支鬼ヶ城谷の合流点下流に設けられた高さ25m、長さ87.5m、貯砂量約50万m3の砂防堰堤。
昭和24年に着工し本堰堤および第1副堰堤を32年に完成しました。
大正9年の鬼ヶ城右岸崩壊の状況
1956頃
1969頃
現在。鬼ヶ城崩壊地下のトンネルをトロッコが走る。このトンネル(511m)は軌道中で一番長い。
鬼ヶ城砂防堰堤の特徴
〈1〉鬼ヶ城砂防堰堤の特徴は、土石流発生で流下する砂礫を抑制し、普段の中小出水で堆積する土石を下流に通過させるため、堤体下部中央部に3m×3mの馬蹄形の暗渠1ヶ所、その上部に2m×2mの馬蹄形の暗渠2ヶ所が設けられたことです。
これは当時として斬新な発想で、砂防技術者の関心と注目を集めました。
鬼ヶ城砂防堰堤の大暗渠
鬼ヶ城砂防堰堤の暗渠(1951)
〈2〉砂防堰堤の弱点とも挙げられる堤冠保護について新たな試みがなされた。
水通断面図
鬼ヶ城砂防堰堤の水通し天端(1954)