ロータリ除雪車は、オーガ(回転装置)で雪堤を切り崩してかき込み、さらにブロア(回転する羽根)により雪を飛ばす除雪機械です。雪を飛ばす方向や遠近はシュートにより調整します。また、多くは車体屈折式となっており、回転半径が小さいのが特徴です。ロータリ除雪車は、拡幅除雪や運搬排雪作業に使用されます。
大きさは除雪幅で表示され1.5m級から2.6m級の種類がありますが、国道の除雪作業では一般的に2.2m級から2.6m級が使用されています。
ロータリ除雪車
開発年表
1940年代
- 1943年
- 国産ロータリ除雪車を試作【旧日本軍】
- 1945年
- 米国要請により旧日本軍の滑走路用除雪車で道路除雪を行う(札幌、青森、弘前)
1950年代
- 1956年
- 国産初の自走式ロータリ除雪車が試作される
- 1958年
- ロータリ除雪装置が開発され、トラックに架装【北海道】
- 1959年
- バケットコンベヤ式スノーローダを導入【北陸】
1960年代
- 1960年
- 国産初のツーステージ型ロータリ除雪車を導入【北海道】
- 1961年
- 170PS級のロータリ除雪車が開発される
- 1962年
- 140PS級のロータリ除雪車(外国製)が開発される
スライダー式スノーローダが開発される
- 1963年
- 海外の最新型のロータリ除雪車を輸入し、導入【北陸】
一車線後方積込式スノーローダを試作【北陸】
- 1965年
- 130PS級、200PS級のロータリ除雪車が開発される
- 1966年
- 400PS級のロータリ除雪車を試作【東北】
- 1967年
- 1000PS級の大型ロータリ除雪車を開発【東北】
- 1968年
- 800PS級の大型ロータリ除雪車が導入【東北、北陸】
- 1969年
- 除雪用と走行用の動力配分をHSTで行う方式のロータリ除雪車が開発される
(HST:ハイドロスタテックトランスミッション)
1970年代
- 1970年
- 高雪堤処理装置付のロータリ除雪車を開発【北陸】
- 1972年
- 500PS級のロータリ除雪車を導入【北陸】
- 1976年
- 車体屈折式ステアリングのロータリ除雪車を導入【北陸】
- 1977年
- ガスタービンを使用したロータリ除雪車の研究開発【東北】
- 1979年
- 2.0~2.6mアタッチメント式の作業幅可変形ロータリ除雪車が開発される
1980年代
- 1980年
- ロータリ除雪車の負荷自動制御装置を開発【北海道】
- 1984年
- 高所運転室付、パンダグラフ昇降式のロータリ除雪車を開発【北陸】
- 1987年
- 480PS級・立軸オーガブロア形のロータリ除雪車(ドイツ)が開発される
雪堤処理用ロータリ除雪装置(サイドスライド式)を開発【北陸】
- 1988年
- シュートの自動制御機構を開発【北陸】
- 1989年
- 一車線運搬排雪用スノーローダ(ダンプ前方積込式)が登場する
1990年代
- 1990年
- 走行の自動制御機構を取り入れたロータリ除雪車を開発【北陸】
- 1993年
- 高速走行(70km/h)型のロータリ除雪車を開発【北陸】
- 1995年
- 2.2m級のロータリ除雪車が開発される
- 1996年
- ロータリ除雪車の操作レバーを集約化【北陸】
- 1998年
- 省力型のロータリ除雪車を開発【北陸】
2000年代
- 2009年
- 180°スイングオーガ装置を開発【北陸】
2010年代
- 2015年
- ロータリ除雪車のガイダンス装置を開発【北陸】