まずは状況確認
一口にスタックしたといっても、その状況によって対処方法が変わります。スタックの状況としては下記のケースに分けられます。
6つのケース対処方法
1. スリップして動けない
(1)ゆっくりとふりこのように小刻みに前進・バックを繰り返し、雪を踏み固めながら発進する。
(2)チェーンを巻く。
(3)タイヤの下にチェーンや緊急脱出用のヘルパー(樹脂製の板)・布を敷き、ゆっくりとアクセルを踏む。
(運転席の足元に敷くフロアマットも意外と使えます。)
(4)FR車の場合、同乗者に後部座席に乗ってもらったり、荷物をトランクに積んだりして、駆動輪に圧力を与え(重くする)ゆっくり発進する。
(5) 同乗者や通りがかかったドライバーに車を押してもらう。
(この時はドライバーも押している人も車の動きには十分注意しましょう。)
(6)タイヤの空気を抜き、空気圧を下げ、雪面への接地面積を増やしてゆっくり発進する。
(脱出後は、ガソリンスタンドなどで、適正空気圧に戻すことを忘れずに。)
(7) スリップしたタイヤの下と、タイヤの外周に砂をふりかける。できれば、駆動輪すべてにふりかけましょう。
雪国の滑りやすい箇所には大体砂箱が設置されています。万が一、近くに砂箱が無い場合もあるので、ペットボトルに砂をつめて常備するとよいでしょう。雪が積もっていて砂が手に入らない場合は、融雪剤でも代用可能です。
2. 新雪に埋もれてしまって動けない
(1)
ゆっくりとふりこのように小刻みに前進・バックを繰り返し、雪を踏み固めながら発進する。
(2) タイヤ前後の雪をスコップで取り除きゆっくり発進する。
(スコップが無い場合は足で踏み固めても構いません。)
![車を押してもらいましょう](https://www.hrr.mlit.go.jp/chokoku/file/content/file/images-yuki_q19_4.gif)
(3) 同乗者や他のドライバーに車を押してもらう。
(この時はドライバーも押している人も車の動きには十分注意しましょう。)
(4) FF車の場合はハンドルをこまめに切って雪を踏み固めながら発進する。
3. 雪の塊に乗り上げて動けない
(1)
ゆっくりとふりこのように小刻みに前進・バックを繰り返し、雪を踏み固めながら発進する。
(2)
スコップ等で少しづつ雪をかき出して、タイヤを着地させ、ゆっくり発進する。
(3) 仲間や通りかかった車に牽引してもらう。
4. ちょっと脱輪して動けない
(1)
FF車で後輪の片方だけ溝に落ちた程度であれば、後ろから人が押すだけでも効果的です。
(2) 駆動輪が脱輪した場合や片側の前後輪とも脱輪した場合は、ジャッキで路面
高まで車を持ち上げ、駆動輪と道路の間に板等をはさみ、ゆっくり発進します。
(3)
車が軽く、周囲に人がいる場合は人の力で持ち上げることもできる場合があります。
5. 完全に道路から外れてしまった
(1)林につっこんでしまったり、崖から転落した場合は、エンジンを切りケガがないか確認し、次に車の燃料が漏れてないか確認しましょう。
(2)体や車に異常がある場合は通りかかった人の助けを求めるか、119番通報しましょう。
6. どうやっても脱出できない場合
上記対処法で脱出できない場合は、JAFやロードサービスに連絡しましょう。
スタックしたら
後始末を忘れずに
(1)使った布や板を片付けましょう。
(2)ガードレールや塀等を壊してしまっていたら、道路管理者や所有者に連絡をしましょう。
(3)手助けいただいた方への「ありがとうございました」の一言も忘れずに。
こうならないための予防策
(1) はやめのチェーン装着を心がけましょう。
(2) FR車はあらかじめ重いものをトランクや後部座席に積んでおきましょう。
(砂袋を積んでおくとスリップした時に砂をまくことができるため、一石二鳥です。)
(3) FR車の同乗者は後部座席に座るようにしましょう。
(4) 安全運転を心がけましょう。