国土交通省北陸地方整備局信濃川下流河川事務所 やすらぎのしなのがわ

総合学習中にあった質問と回答

水質に関するもの

Q1
川は何が原因で汚れているか。
A.
 代表的な例の一つとしては、生活排水の流入によるものがあります。下水道施設が完備されていない都市もあり下流域に近づく程、上流部に比べ水質の程度は悪くなるようです。
 その他、工場からの排水、田畑・農場からの排水等の流入によるものがあります。
Q2
新潟市は他の都市と比べて川はきれいか。
A.
 全国一級河川の調査結果(平成15年7月)によれば、172河川のうち102番です。
 近くを流れている阿賀野川は45番目です。
Q3
川の水は年々きれいになっているのか、汚れているのか。
A.
 水質調査の結果によると、信濃川はきれいになってきています。水の汚れ具合を示す、代表的な値BODという値(低い程良い)も平成9年時1.7から平成13年には0.8になっています。余談ですがBODが3を超えると、水道水として処理することも困難なようです。
Q4
川の水汚染防止に関する取り組みはどのようにしているのか。
A.
 国・県・市の水を利用する関係者で構成する「水質汚濁防止連絡協議会」という組織で水質汚染の監視を行っています。
 当事務所の取り組みと致しましては、河川パトロールを日常行っており、異常がないか注意致しております。(ゴミの不法投棄・油の流出等)
 また、大規模な排水を河川に行っている施設(工場等)には、保健所の排水水質検査が年数回行われております。
Q5
海水が進入しているそうだが、それは多くなってきているのか。また、塩分による自然への影響はあるのか。
A.
 信濃川下流域における海水の進入(塩水遡上(えんすいそじょう))については、日常的に発生している現象ではありません。河川の流量(水の量)が少なくなると発生することがあります。発生の時期としては、夏期の渇水期(かっすいき)や冬期の流量低下時において、ごく希に発生致します。
 自然環境に対する影響ですが、一次的に発生する現象なので調査は行っておらず、影響が無いとはっきり申し上げる事が出来ません。ただ、河口付近に生息する淡水魚は、海水を嫌い一次的に避難するという話を聞いたことがあります。また、河川より取水している水道水や工業用水の影響が心配されます。  
Q6
信濃川は昔きれいでしたか?
A.
 川の水質が低下する要因は様々ありますが、川自体には浄化能力が備わっていると言われています。しかし近代では工業の発展に伴い人工的な廃棄分等の流入により、また生活様式の向上進化等で排出されるものも多くなっており、浄化が追いつかないような状況が見受けられます。よって近代化の進む以前の川については現代よりは綺麗だったと思われます。
Q7
信濃川で一番汚れているのは、どの地域ですか?
A.
 信濃川では12地点で水質調査を実施しています。水の汚れ具合を示す、代表的な数値BOD(日間値の75%)という値の平成15年度調査結果によると、グラフの値が計測されました。(※BOD値は高いほど水が汚れていると想定されています。)
 グラフからですと数値の高いのは、関屋分水路。低いのは河口になります。
 しかし調査結果については、その年々の水量また、その計測箇所の水量や、天候等により左右されることもあり、参考程度にしていただきたいです。
bod地点別グラフ
Q8
信濃川の上流中流下流で、一番綺麗な流域はどこですか。
A.
 上流です。通常、どの河川でも下流へ行くに従い水質が悪くなります。
 これは、生活排水や工場からの排水,田畑からの排水が川を汚す大きな要因となっているからです。
Q9
信濃川、鳥屋野潟などは何性ですか。
A.
 酸性、中性、アルカリ性はpH(ピー・エイチ)で表します。
 pHとは水溶液(すいようえき)の酸性、中性、アルカリ性を1〜14の14段階に分けて数値で表したもので単位はありません。リトマス紙と同じくpH試験紙やパックテストというものを使ってpHを調べることができます。その時の色の変化は下の絵のようになります。
pH
 pHは7が中性で、7より小さいと酸性、7より大きいとアルカリ性です。
Q10
川などに混じっている有害な物質にはどのようなものがありますか。
A.
 信濃川下流管内の水質調査では、人体に影響をあたえる有害性の物質は検出されてません。
 信濃川下流域は河川の環境基準(水質汚濁(おだく))類型ランクAA〜Eの6段階のうち2番目のAに該当(がいとう)しています。
 参考までに健康保護の環境基準で指定されている項目で、厳しい規制値が定められている特に有害性の高い物質をいくつか紹介します。
  • カドミウム (基準値:0.01mg/l以下)
    毒性は強く数g体内にはいるだけで死亡します。昭和30年代に富山県の神通川(じんつうがわ)下流域に工場からの排水に混じり川に流れ出て水道水や農作物を汚染し、「イタイイタイ病」の原因となった物質です。
  • シアン化合物 (基準値:検出されないこと)
    自然界の水中にはほとんど無い物質で、青酸化合物を使用する工場からの排水から汚染を受ける場合があります。シアン化合物で有名なのは青酸カリで少量で死亡します。
  • アルキル水銀 (基準値:検出されないこと)
    体内に蓄積されやすく排出しにくい物質で、脳にたまりやすく各種障害を引き起こす物質です。
    「水俣病(みなまたびょう)」発症の原因物質です。昭和40年には工場の排水から阿賀野川に流れ出て、川魚を食べた人達が発症してしまいました。
Q11
信濃川の水を飲むと身体にどんな影響がありますか。
A.
 川の水を直接飲むのは危険です。日本には安全な飲み水の基準が決められています。
 水質基準(厚生労働省令第101号)では、人体に有害な50種類の項目に対し基準値を定め、全て満たさなければ安全な飲み水ではないとしています。
 新潟市内の水道水は信濃川の水をくみ上げて処理しています。無処理では人体に影響があるため処理していることになります。
 基準項目の1つ「大腸菌」が含まれていた場合は、下痢などを発症する原因となります。死んでしまうこともあるO-157も大腸菌の一種です。
 信濃川下流河川事務所管内では6箇所で毎月1回、信濃川の水質検査を行っています。
 新潟市内では信濃川河口・万代橋・平成大橋・堀割橋の4箇所で行っています。
 平成17年4月20日の水質検査でも微量ではありますが、4箇所とも検出されています。