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阿賀野川流域パンフレット

最終更新日:2007.04.26

阿賀野川の治水事業

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越後平野の河川と放水路
(URBAN KUBOTA No.17をもとに作成)
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越後平野は低湿地で水はけが悪いうえに、海岸線は砂丘で遮られているため、河川の水が海に流れにくい地形となっています。このため、大雨のたびに氾濫を繰り返し、大きな被害をもたらしてきました。荒川から信濃川に至る、日本海に注ぐ河川にとって、この砂丘をきり開き、洪水を海に流下させることは悲願となっていました。
 享保6年(1721)には、紫雲寺潟を干拓するために落堀川が開削され、続いて享保15年(1730)に松ヶ崎放水路が開削されています。この後、明治から昭和初期にかけて胎内川放水路、加治川放水路、新井郷川放水路が開削されています。
 一方、阿賀野川下流部は低湿地での阿賀野川の乱流にも問題がありました。沖積平野に残る旧河道が、この暴れ川の蛇行が並大抵のものではなかったことを示しています。暴れ川は洪水の度に被害をもたらし、江戸時代より改修工事が行われましたが、主に新田開発や舟運の利に関わるものでした。その状況は明治期になっても変わらず、本格的な治水工事が行われるのは大正時代になってからでした。

松ヶ崎放水路の開削

松ヶ崎開削の図
松ヶ崎開削の図(新潟市蔵)

阿賀野川は新潟市の津島屋で西に折れて信濃川と合流し海に注いでいました。このため、新潟港の水量は安定し年間入津数が3,000を越えるほど繁栄していました。
 享保15年(1730)、洪水防御と水田排水を目的に阿賀野川河口部に松ヶ崎放水路が開削されましたが、翌年の雪解け水で堰が破壊され、放水路が阿賀野川の本流になってしまいました。
 このため新潟港の水深が浅くなり、大型船の入航が困難になるなど、港湾としての機能が衰える一方で、阿賀野川は水はけが良くなって新田開発が進むという結果となりました。現在は通船川(旧河道)と小阿賀野川が信濃川・阿賀野川の両川をつないでいます。

明治以降の改修工事

●阿賀野川下流部第1期改修工事
  明治時代の部分的な補強工事を経て、大正2年(1913)8月の大洪水・木津切れを機に大正4年に直轄事業として第1期改修工事に着手しました。馬下から河口に至る約35kmについて、河道の整正や築堤、護岸の整備など本格的な改修工事を行い、ほぼ現在の河道が形づくられました。

●阿賀野川下流部第2期改修工事
  第1期改修工事終了後、低水路の蛇行や河床低下が舟運、灌がいに支障を及ぼすなど荒廃が進み、昭和21年洪水では右岸阿賀野市小浮地先で決壊しました。そこで、昭和22年(1947)、第2期改修工事に着手しました。

第1期改修工事の概要図

第1期改修工事の概要図

沢海床固

第一期改修工事による河道改修と沢海床固工群の画像をクリックで拡大表示
第一期改修工事による河道改修と沢海床固工群
沢海床固工の画像
沢海床固工

阿賀野川が満願寺で小阿賀野川と分かれた本川下流に沢海床固があります。これは川の流れの下に障害物を沈め、勾配や流速を調整し 川底が深く削られないようにしているものです。第1期阿賀野川改修事業によって、沢海付近は洪水を安全に流すために、川が大きく蛇行していた部分を直線的に結ぶ捷水路が施工されました。
 短くなった分、川の勾配は急となり、流れは速くなるので河床が削られやすくなります。そのため昭和3~4年度にかけて第一床固が施工されました。その後、歳月がたつにつれて河床の低下が目立ち始めたので、新たな床固の必要性が生まれ、昭和25年~27年度にかけて第2床固がつくられました。

早出川捷水路

昭和44年8月出水の早出川被災状況
昭和44年8月出水の早出川被災状況
早出川捷水路
早出川捷水路

早出川は、「早出」の名が示すように、大雨になるとすぐに出水するという特徴を持っています。しかし、五泉市街地付近で大きく蛇行し、川幅が狭くなっているために一帯は何度も大きな被害に見舞われました。
 そこで、幅200m、延長2,000mの捷水路開削を実施し、川幅は旧川の約2倍になり、また内水氾濫を防ぐ排水機場の建設等が行われ、平成12年3月(2000)に完成しました。
 この結果、平成16年7月洪水では、記録的な集中豪雨にもかかわらず、早出川流域の浸水被害は発生せず、治水安全度の向上が確認されています。

詳細:
http://www.hrr.mlit.go.jp/
agano/jigyou/kasen/hayade.html

水衝部対策

水衝部対策箇所
水衝部対策箇所

阿賀野川下流域は低平な地形であるため、破堤すれば洪水流が想定氾濫域の大部分に広がり、新潟市をはじめ甚大な被害が想定されます。
 また阿賀野川は蛇行が著しく、特に湾曲部の水の流れが強くあたる水衝部では、深掘れが生じやすく破堤の危険性が高くなります。
 このため水衝部等で発生している深掘れを防ぐために護岸工や水制工などの補強工事を行っています。

詳細:
http://www.hrr.mlit.go.jp/
agano/jigyou/kasen/haiduka.html

上部画像:横越地区水衝部対策工の対策前と対策後と下部画像:灰塚地区水衝部対策工(ベーン工)の対策前と対策後

内水対策・胡桃山排水機場

胡桃山排水機場

洪水被害を防ぐには内水対策も重要です。福島潟下流の新井郷川流域の浸水被害を軽減するため、平成8年(1996)に胡桃山排水機場(50m3/s)が完成しました。
 平成10年8月洪水では、床上浸水面積が約60%、農地被害面積が約20%減少するなど大きな効果を上げ、続く平成14年洪水でも被害を軽減しました。

詳細:
http://www.hrr.mlit.go.jp/
agano/jigyou/shisetsu/06.html

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