大正時代に行われた大河津分水工事は、その規模や最新の土木技術を駆使したことから「東洋一の大工事」と呼ばれました。工事にあたっては長さ3mにもわたる計画平面図が作成され、手書きで地形や工事の計画が緻密に描かれ、芸術的な美しさすら感じさせてくれます。
また、工事の様子は1000枚超の写真にも記録され、私たちが工事の苦労や大切さを知る上で貴重な資料となっています。
大河津分水が通水100周年を迎えたこと、こういった資料を多くの方々にご覧いただくこと、そしてこれからの川づくりを考えるきっかけにしていただきたいことなどを踏まえて、計画平面図をベースにして工事写真をプロットし、それらを3Dマップでご覧いただける「大河津分水歴史CIM」をスタートしました。 下記のリンクをクリックすると3Dマップが表示されます。
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大河津分水路について、子供たちを中心に多くの方々に関心をもってもらうため、世界中で人気のゲームであるマインクラフト上で大河津分水路の大規模改修エリアを再現しました。
現地形の点群データを用いて事業エリアをマインクラフトで再現するのは、国土交通省で初めての事例になります。マインクラフトの中で大河津分水路の「令和の大改修」を自分で行ってみてください。
下記リンクからモデルデータをダウンロードできます。
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CIMとは、コンストラクション・インフォメーション・モデリング(Construction Information Modeling)の略称です。3次元モデルを関係者で情報共有し、建設生産システムの効率化・高度化を図ることを目的としています。 例えば掘削斜面内にある水道管等の位置を3Dで可視化したり、その情報を関係者と電子データで共有したり、電子データをパワーショベル等にインプットすることで水道管の位置を機械が把握できるようになり、安全かつ効率的に工事を進めることができます。
詳しくは国土交通省のCIM紹介サイトへ
約10kmの分水路をつくるためには日本最大と言われた約2880万立方メートル(東京ドーム23杯分)の土砂を掘削する必要があったこと、水量を調節するために日本初となる水と空気の力で開閉する堰を建設する必要があったこと、これらの工事を推進するためにエキスカベータ―やスチームナビ―といった大型機械を輸入し、コンクリート等の当時最新の土木技術を駆使したこと、その工事には延べ1000万人が従事したことなど、日本を代表する大工事でした。
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