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人的被害 |
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中越地震による犠牲者は51名、重軽傷者は4,795人にのぼる。犠牲者の約6割が65歳以上の高齢者となっている。死因で多いのは地震発生直後の建物倒壊、地震によるショックによるものであり、建物倒壊のなかには土砂崩れによる家屋倒壊も含まれている。この土砂崩れが多発した原因の一つとして、地震発生直前まで台風23号による大量の降雨があり、地盤が多量の水分を含んでいたことも関係していると推定されている(※1)。また、地震によるショックで急性心不全や脳内出血などを併発した65歳以上の高齢者が多く亡くなっている。
次いで多いのは避難生活中の疲労やストレスによるもので、強い余震が続き、避難所での共同生活が続くことなどによる肉体的・精神的負担が大きかったことを物語っている。また、自家用車など車中で避難生活をしていたことによるエコノミークラス症候群が死因となったことが特徴的であった。 |
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※1 土木学会(第1次)・地盤工学会合同調査団調査速報(土木学会・H17年1月11日) |
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死者の死亡要因別一覧表(人) |
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地震発生直後の要因 |
地震発生後の要因 |
その他 |
合計 |
建物の倒壊 |
地震
による
ショック |
避難生活
中のエコ
ノミークラス
症候群 |
疲労・ス
トレス等 |
家屋・車
庫の倒壊 |
建物外壁
の下敷き |
土砂崩れ
による
家屋倒壊 |
全 体 |
9 |
1 |
4 |
14 |
3 |
9 |
11 |
51 |
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12歳以下 |
4 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
1 |
6 |
13〜64歳 |
2 |
1 |
2 |
2 |
2 |
1 |
5 |
15 |
65歳以上 |
3 |
0 |
2 |
11 |
1 |
8 |
5 |
30 |
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新潟県資料(H17.11.30 10:00)より |
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(人) |
死者 |
51 |
行方不明者 |
0 |
負傷者 |
4,795 |
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重傷 |
635 |
軽傷 |
4,160 |
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写真1-2-2 自家用車による避難生活の様子 |
(川口町) |
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(2) |
建物被害 |
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住家被害は全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊を含め120,410棟、129,061世帯となっており、内訳を表1-2-2に示す。なお、平成17年は19年ぶりの豪雪となり、山古志村では3月14日に最大積雪深356cmを記録している。この豪雪がさらに建物被害を拡大させた。
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表1-2-2 新潟県内の一般被害(住家被害、非住家被害) |
住家被害 |
非住家被害 |
全半壊 |
一部損壊 |
公共施設及びその他 |
16,910棟 |
103,500棟 |
40,383棟 |
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※雪による被害を含む
新潟県資料(H17.11.30 10:00現在) |
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滅失棟数総数 |
住 家 |
非住家 |
269(191)棟 |
98(93)棟 |
171(98)棟 |
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※ |
カッコ内の数値は、地震による被害認定で全壊認定を受けた建物新潟県資料(H17.6.9 10:00現在) |
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写真1-2-3 19年ぶりの豪雪に見舞われた被災地
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(山古志村竹沢地区) |
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(3) |
孤立集落の発生 |
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地震発生直後、各所で道路が寸断されたため7市町村61の集落が孤立した。内訳を表1-2-3に示す。特に山古志村では14集落全部が孤立し、全村民の早期避難を新潟県に要請した。これを受け、警察、消防、陸上・航空自衛隊、海上保安庁などの機関が所有するヘリコプターを出動させ、孤立している7市町村61集落の住民の救出作業を行った。 |
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市町村名 |
孤立集落数 |
十日町市 |
9 |
小千谷市 |
27 |
川口町 |
3 |
栃尾市 |
3 |
小国町 |
1 |
長岡市 |
4 |
山古志村 |
14(全地区) |
合計 |
61 |
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写真1-2-4 |
路上に「SOS」の文字を書き救助を求める被災者ら
(小千谷市十二平地区)<産経新聞社提供> |
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写真1-2-5 |
自衛隊ヘリによる孤立集落の住民避難
<共同通信社提供> |
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