
はじめに
|
第1章
新潟県中越地震の概要
|
第2章
北陸地方整備局所管施設
等の被害及び応急復旧状況
|
第3章
様々な支援の取り組み
|
第4章
北陸地方整備局所管施設
等の本復旧及び復興
|
第5章
地震発生後の動き
|
第6章
地域への情報提供
|
第7章
参考資料
|
 |
国土交通省
北陸地方整備局 |
|
第1章 新潟県中越地震の概要 |
 |
第2節/一般被害 |
 |
|
|
|
|
|
4 |
産業活動への被害・影響 |
 |
|
(1) |
農業への被害・影響 |
|
中越地方は魚沼産コシヒカリに代表される日本でも有数の穀倉地帯であり、米穀を原料とした酒類や米菓などの食品製造も盛んである。そのため、農業を基幹産業としている地域も多い。
前述のとおり新潟県によれば、農林水産業関連の被害額は4,000億円と推計された(平成16年11月現在)。
当地域の地場産業に養鯉業があるが、小千谷市、山古志村などのニシキゴイも甚大な被害を受けた。2003年(第11次)漁業センサスによれば、小千谷市のニシキゴイの売り上げは年間約9億円、山古志村も約3億円で、これらがほぼ壊滅的な被害を受けた。被害状況を写真1-2-8〜9に示す。
|
|
 |
写真1-2-8 中山間地に分布する棚田が崩壊
|
(栃尾市半蔵金) |
|
 |
写真1-2-9 倒壊した家屋とニシキゴイの被害
|
(小千谷市) |
|
|
(2) |
製造業への被害・影響 |
|
 |
写真1-2-11 酒造メーカーの被害状況
|
<朝日酒造提供> |
|
|
長岡市に自動車部品、小千谷市などに電気機械部品の大規模工場があり、製造業が盛んな地域でもある。二次産業の就業者比率も全国平均29.5%に対し、中越地方は39%と全国平均を10ポイント近く上回っている。
自動車部品製造の大手である日本精機も地震により生産が停止、出荷もできない状況に追い込まれた。このため同社から部品の供給を受けていた自動車メーカーも、その生産活動に大きな景況を受けた。また、大規模工場では、半導体製造の新潟三洋電子が地震発生直後から操業停止に追い込まれた。ビジネス用ファクシミリを生産しているパナソニックコミュニケーションズ新潟工場も生産見送りに追い込まれた。
また、小千谷市の酒造メーカーでは、酒蔵が一棟倒壊するなど大きな被害を受けている。新潟県酒造組合によれば、40社以上の酒造メーカーで蒸留タンクが傾いたり精米所が壊滅するなどの被害を受けた。
被害状況を写真1-2-11に示す。 |
|
(3) |
観光産業への被害・影響 |
|
新潟県旅館組合が行った調査によれば、被災していない佐渡や下越地方の宿泊・宴会のキャンセルが続出した。10月23日の地震発生から11月10日までに宿泊・宴会のキャンセルは、約31万2千人にも達した。その後も増え続け、12月15日時点で41万7千人に達した。率にして県内平均の8割前後、なかには9割以上のキャンセルとなった地域もあり、被害総額は80億円近くになると試算された。佐渡観光客の入れ込み状況の推移を図1−2−4に示す。
また、地震被害がなかった地域にも風評などによる被害が相次いだ。スキーシーズンを間近に控えた湯沢町では年明け5日までのスキー客は前年比で3割減、塩沢町でも正月3日まで3割近く減少した。
新潟市内では上越新幹線の不通によりビジネス客が減少したり、自粛ムードで宴会や婚礼のキャンセルが相次いだ。市内約50社が加盟する新潟市ホテル旅館業連絡協議会によれば、売り上げが前年比で4割近く減少した。
|
|
|
|
|
|
|