新しい技術へ・・・
〜上々堀沢ワイヤネット砂防えん堤と底面スクリーンえん堤〜


 お昼ご飯を食べる前にもう一カ所行きます。

今でも、活動中の火山・焼岳が上高地の入り口付近にあります。
山から白い煙りが吹き出しているのが
よく見ると分かります。

焼岳は大正4年と昭和37年に大爆発をおこしています。
そのときの火山噴出物が焼岳にはたくさん積もっていて、
そこに雨が降ると、水と一緒に土砂が降りてくる・・・、

つまり今でも土石流が発生しやすい場所なのです。
そういった場所にある砂防えん堤が
上々堀沢にあるワイヤネット砂防えん堤と底面スクリーンえん堤です。

この二つの砂防えん堤は試験的なものなので、
土石流が発生しやすい場所に設置するのはとても適しています。

話は変わりますが・・・。
焼岳の土砂は大正池を早いスピードで埋めています。

大正池は焼岳の噴火でできた池で、とてもきれいな池ですが、
いずれなくなってしまうと思うと、とても悲しいですね(*_*)

 これがワイヤネット砂防えん堤と底面スクリーン砂防えん堤です。

 ワイヤネットはその名の通り、ネットによって土石流を抑えるえん堤です。スーパーに売っているみかんを詰め込んでいる赤いネットを想像してください。
 底面スクリーンえん堤は、土砂を運ぶ水を除いてやれば、土砂は止まるのでは?という考えから「すのこ」を想像してください。水だけを「すのこ」の下に落として、土砂は「すのこ」の上で摩擦によって止まります。

 たぶんほとんどの人が思っていることだと思いますが、
砂防えん堤らしくないえん堤だと思うかもしれませんね。環境(上流、下流を分けない点や景観)にも配慮してます。珍しい形なので皆さん真剣に話しを聞いて、写真を撮っていました。


 このホームページのトップページからこの砂防えん堤の土石流をとらえた映像をみることができます(管内土石流発生画像)ので、そちらも見てください。
                   

●焼岳からの浸食土砂は通るたびに気になっていた。このままでは梓川が埋まってしまうのでは、と案内するお客様方にもよく聞かれる。この新式の方法は最初はお金がかかるが復旧を考えるとこれからの活用には明るい工法ではないかと思う。
●砂防講座で実際の土石流を止める映像を見せて頂きましたが、簡単なものなのに効果があるものだと感心しました。砂防施設というとコンクリートの堰堤というイメージがありましたが、色々と工夫されているんですね。
●試験施工とのことですが、すばらしいアイデアだと思う。安価で工期が短縮でき、生態系への影響も少なく景観にも配慮できて、今のところ良い結果が出ているとのことで良いことづくめだそうで、期待しています。
●初めてワイヤネット砂防堰堤を見て感心した。生態系に与える影響が少なく、景観にも配慮し、施工も短期間で工事費も節約できるということで良く考えてあると思った。
●ワイヤネットという安価で迅速な復旧が可能、しかも周囲にあまり違和感を与えない砂防があることに驚いた。
●焼岳は大正4年6月と昭和37年6月に二度大噴火しています。大正池は噴火時、流下した土砂が梓川を堰き止めてできたものですが、上高地の玄関口として魅了してくれます。下堀沢、中堀沢、上堀沢、上々堀沢とそのその規模の傷跡は印象的です。上々堀沢のワイヤネットはよく考案された構造であり、感心致しました。
●今までの砂防とは全く違った方法であること、全然知らないことであったため、今後このような砂防も自然を守るため、良いのではないかと思います。
●今まで勉強してきた砂防堰堤に比べるとなんと貧弱で、頼りなく「本当に大丈夫なの?」というのが第一印象でした。試験施工の中、平成16年には土石流をキャッチし、このシステムの有効性を実証したとのことです。河床に手を加えたくないない処、土石流が頻発し施工の安全性が求められている処、自然への影響を避けたい処などなどへの期待がもてる堰堤であろうと感じました。(ワイヤーが垂れ下がっているのは景観上、どうかという感じはしますが、山奥なら、まいいか。)
●いろいろな方法で砂防が行われているのだなと思いました。安価(約1億5千万)で早くに復旧が可能とのことで、土石流の激しさに堪えるんだと感心しました。
●焼岳に深くえぐられた沢が四つもあることは知らなかった。そのひとつの上々堀沢のリングネットを用いた堰堤の効果は「えぇっ!これでっ!」と思ったが、実際のビデオの映像を見て納得。またこのビデオを見た上高地防災情報管理センターがあることなど全く知らなかったが、大月監督官の朴訥とした話しぶりに好感が持てた。
●通常のコンクリート構造物でなく、ワイヤネットを使い下の排水に新工法を使った施設は、上高地を守る上で他の場所にもぜひ設置してもらいたい。東電だけではなく、行政も大正池からの土砂の排出を大幅に行う必要があると感じた。
●堰堤らしくなく、安価で迅速な復旧が可能ということですので今後に期待したい。
●土石流の発生メカニズム、流下時の挙動などの調査、観測によりコンクリートの堰堤ではなく費用、景観、渓流の分断しない生態系への影響も抑えられ、製作の手間、費用などもコンクリート物より有利で実験中とはいえ今後の画期的な砂防堰堤になると期待しています。土石流観測システムとの効果にも期待します
●昭和47年、こんなに昔にワイヤネットえん堤が考案、設置された事が騒ぎである。初めは失敗したようであるが、設置費用が安い代わりに土砂処理に費用がかかるのはやむを得ないことか。また観光客の目につくろころは不向きと感じた。

お昼休みの一コマ

このあとは河童橋周辺でお昼ご飯です。

午後は明神橋まで歩きますので、ゆっくり休憩をとっていただきたいと思います。(^-^)。

 上の写真は当日の五千尺ホテル前の河童橋と穂高山脈です。
 穂高は朝から変わらず雲がかかっていました(>_<)
 上高地インフォメーションセンターにある松本砂防事務所のマルチ画面です。ソフト対策事情の一つで管内で何かあれば情報はすぐ見ることができます。