災害を防ぐために


砂防えん堤を襲う土石流

黒部川は古くから”暴れ川”として人々におそれられてきました。それは今日も変わらず決して昔話ではありません。今、黒部川上流には大規模な崩壊地がいくつもあり、それはいつ再び黒部川に流れ込むか予想できません。ひとたび大崩壊が起これば、黒部川に流れ込んだ岩や石が土石流となって下流を襲う危険性があります。しかし、昔の黒部川と違い、今は「砂防えん堤」があります。黒部川支流に数多く設置された砂防えん堤は大規模な崩壊による土砂を食い止め、多くの人々が生活している流域を被害の危険から守り、黒部渓谷の自然を保護しています。砂防えん堤はあまり人々の目に触れることはありません。それは、人里離れた上流に造られているからです。でも、砂防えん堤はみんなの暮らしと命を守る頼もしい施設なのです。

黒部川の直轄砂防えん堤