第17回黒部川土砂管理協議会開催

開催日時 平成17年2月17日(木)15:00〜16:40
場所 ホテルアクア黒部 2階「ロイヤルシンフォニー」
議事次第
1. 平成16年7月連携排砂及び連携通砂の実施経過について
2. 平成16年7月連携排砂及び連携通砂に伴う環境調査結果について
3. 第20回黒部川ダム排砂評価委員会開催結果について
4. 平成16年7月連携排砂及び連携通砂の実施結果に関する関係団体からの意見について

協議会委員名簿


黒部川土砂管理協議会



◇協議会の結果◇
今回頂いたご意見を踏まえ、平成17年度の連携排砂計画及び環境調査計画を検討し、次回の土砂管理協議会に提示されたい。



[主な意見]
(委員)
今年度の連携排砂及び連携通砂時は大きな洪水時に行われたことから、ダムに貯まっていた土砂だけでなく、ダム上流域から新たに流入した沢山の土砂もダム下流へ流れ出たとのことであるが、洪水に伴ってダムに流入した土砂量を推定する方法はないのか。
(事務局)
排砂中及び洪水中の土砂動態を把握するには、土砂収支シミュレーションによる方法がある。この土砂収支について一定の精度を持ったシミュレーションを行うにあたっては、シミュレーションの入力条件及びシミュレーション結果と排砂中及び洪水中の土砂モニタリングによる実測値との検証が重要であるが、現在の技術では排砂時及び洪水時の土砂観測が困難な状況にあり、平成16年3月に開催した排砂評価委員会でも土砂量を推定することは難しいとのご意見を頂いている。
このように土砂動態の測定技術の飛躍的な向上は難しいものではあるが、平成16年度からは、平成15年度まで実施してきた排砂直後及び12月時点の2回のダム貯水池測量に、排砂期間直前の5月測量を加えて、年3回測量を実施し、さらに出・洪水時の流砂量観測も実施するなど土砂量の把握の取り組みを強化しているところである。
(委員)
海面漁業関係団体からの意見に対する事務局の対応として、「引き続き、排砂と魚の生息への影響との因果関係について、調査地点、調査方法を含め検討する」とのことであるが、具体的な取り組みとして決まったものはあるのか。
(事務局)
具体的な調査内容については、これから事務局において平成17年度の調査計画を検討し、その計画等に対し海面漁業関係団体の意見を聴き、排砂評価委員会で審議していただき決定することとなる。
(委員)
今年度も小川沖の海底堆積土砂について、黒部川からの流出土砂との比較のための調査を実施しているが、その結果を説明してほしい。
(事務局)
小川沖海域の堆積土砂の起源を調査するため、今年度は、黒部川河口周辺海域と小川河口周辺海域の底質について、底質に含まれる無機物の元素構成比に着目した調査を行った。結果としては、無機元素の構成比から類似度をある程度区分することはできたが、排砂評価委員会からは、黒部川流域と小川流域の地質が類似しているため、海域堆積土砂の起源を区分することは難しいとの意見を頂いているが、今後も学識者から調査方法に対し指導を得て調査を実施していきたい。
(委員)
内水面漁業関係団体からの意見の中に「洪水時の濁流と排砂時の泥流の違い」との表現があるが、この違いはSS(浮遊物質)濃度などで区別できるものなのか。できないのであれば、その旨を関係団体に説明すべきである。
(事務局)
水の濁りはSS(浮遊物質)の量で測定しており、その量の程度で「濁流」と「泥流」に区別することはない。今後は、関係団体に洪水時や排砂時の濁りの情報が適切に伝わるように努めたい。
(委員)
今年度の連携排砂及び通砂を実施した時期は、稲の幼穂期と重なり、農業用水の取水停止による稲作への影響が心配だと農業関係団体から聞いている。このような時期を排砂実施期間から外すことや、農業用水の取水停止時間を短くすることはできないのか。
(事務局)
排砂実施期間については、これまでに農業及び漁業等の関係団体等の様々なご意見を踏まえた調整がなされ、現在の6月から8月までの三ヶ月間が決められてきたものである。今回の農業関係団体から出されたご意見は重たい課題であると受け止めているが、一方で、排砂は、自然の出洪水に合わせ、毎年確実に実施していくことが必要であり、梅雨末期の出洪水が発生し易い時期を排砂実施期間から外すことは非常に難しいことである。
農業用水の取水停止時間については、過去の排砂・通砂時の農業用水の取水の停止及び再開時のSS値を分析した結果、時間を短縮できる可能性があることから、今後農業関係団体と相談しながら取水停止時間を短くできるような手法を検討していきたい。
(委員)
当初の排砂計画で予定していた宇奈月ダムから300m3/sを放流する新たな排砂後の措置は、今回の洪水で発生した流木が河道内に残存し、海域への流木の流出による被害を軽減するため、試行できなかったが、排砂及び通砂後の自然出水で当初計画していた排砂後の措置に相当するような流量が流れた実績はあるのか。
通砂後とその後の自然出水後では、河道の堆積土砂の粒径は、どのように変化しているのか。
(事務局)
連携通砂後に発生した自然出水では、7月25日に愛本地点で約470m3/s、8月31日には同地点で約480m3/sの流量が流れている。
今年度は黒部大橋付近の1km区間において黒部川の河床堆積土砂の細粒分の分布状況調査を連携排砂前、連携通砂直後、更に7月25日の自然出水直後の3回調査した。その結果、7月25日の自然出水直後には、排砂及び通砂直後と比較すると細粒分の分布面積が減少する結果が得られた。その後は、融雪出水などを経て、来年6月には、礫河床に戻っていくものと推定している。昨年は、河道内に流木が堆積するという特殊な要因があったため、宇奈月ダムから300m3/sを放流する排砂後の措置を行えなかったが、来年度の排砂時には試行を行いたいと考えている。
(委員)
宇奈月ダムが安定河床に達した以降の排砂方法について、これまでの排砂実績を踏まえ、環境により影響の少ない方法を検討しているのか。
(委員)
宇奈月ダムは堆砂が進むことで、土砂を貯める段階から通過させる段階に移っていくこととなる。また、土砂循環の観点からは、宇奈月ダムが出来る前の状態に戻っていることであり、環境に対してもより良い方向に向かっていくのではないかとの意見を排砂評価委員会から頂いている。
このようなご意見を踏まえて、今後評価委員会の委員のご指導も得ながら、環境により影響の少ない排砂方法を検討していきたいと考えている。
 
平成16年7月連携排砂及び連携通砂の実施経過について
連携排砂及び連携通砂実施中の水文データ、連携排砂及び連携通砂前後における出し平ダム及び宇奈月ダムの堆砂形状について報告しています。
詳しくは資料−1をご覧下さい
 
 
平成16年7月連携排砂及び連携通砂に伴う環境調査結果について
ダム、河川、海域における、平成16年度の連携排砂及び通砂前後の環境調査結果について報告しています。
詳しくは資料−2−@−1をご覧下さい
詳しくは資料−2−@−2をご覧下さい
詳しくは資料−2−@−3をご覧下さい
 
 
第20回黒部川ダム排砂評価委員会開催結果について
平成17年1月27日に開催された第20回黒部川ダム排砂評価委員会における委員会の評価及び主な意見について報告しています。
詳しくは資料−3をご覧下さい
 
 
平成16年7月連携排砂及び連携通砂の実施結果に関する関係団体からの意見について
平成16年度連携排砂及び連携通砂の実施結果についての各関係団体(海面漁業関係団体・内水面漁業関係団体・農業関係団体)の意見を報告しています。
詳しくは資料−4をご覧下さい
 
 



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