国土交通省北陸地方整備局信濃川下流河川事務所 やすらぎのしなのがわ

鳥屋野潟排水機場:写真で見る「排水機場ができるまで」

1999(平成11)年撮影
 写真下側が、信濃川。右が上流側となります。写真上側に見えるのが鳥屋野潟です。鳥屋野潟に集まってくる雨や排水が、真ん中に見える親松導水路を通って、既設親松排水機場によって信濃川に排水されています。既設親松排水機場の右隣の広い敷地が、鳥屋野潟排水機場の建設場所です。建設開始前なのでまだ何もありません。

平成11年撮影

2000(平成12)年10月29日撮影
 基礎工事が開始されました。基礎は、上に乗る排水機場を支えるだけでなく、このあたりは地下水位が高いため、地盤の液状化の危険もあります。それらに対して、充分持ちこたえられる構造となっています。
 また、川側には排水樋門を作るための準備として、堤防代わりの二重締切が作られています。

平成12年10月29日撮影

2001(平成13)年1月29日撮影
 県道の鳥屋野潟側では、排水機場の地下部分が作り始められました。この地下部分にポンプが据え付けられ、水が吸い込まれることから、吸水槽と呼ばれています。
 県道の信濃川側では、二重締切の内側で排水樋門の基礎工事が始まっています。基礎の形式は、排水機場本体と同じです。

平成13年1月29日撮影

2001(平成13)年6月4日撮影
 排水機場地下部分の形が見えてきました。もちろん地下部分なので、完成した後は見えなくなってしまいます。しかし完成後は、この地下部分を通って水が排出される重要な箇所です。ポンプがこの中に据え付けられます。
 川側では排水樋管の工事が始まりました。6本の管が見えます。ポンプで吸い上げた水を、この管で信濃川に流します。将来計画となっている排水量毎秒180m3に対応できる分も、今回一緒に作ってしまいます。

平成13年6月4日撮影

2001(平成13)年8月11日撮影
 川側の樋門・樋管ができあがってきました。これらも完成すると見えなくなってしまいます。見えないところにも、重要な構造物があるのです。
 新設の排水機場と既設親松排水機場の間に、連絡水路が作られています。今まで親松排水機場は、自分の樋管で排水していましたが、新設鳥屋野潟排水機場が完成した後は、一緒に排水します。そのため、親松排水機場で吸い上げた鳥屋野潟の水は、連絡水路を通って、新設の樋管で、信濃川に流れるようになります。

平成13年8月11日撮影

2001(平成13)年11月28日撮影
 新設排水機場地上部分の工事が始まりました。地上部分には、ポンプを動かすためのガスタービンエンジン、操作室などが入ります。ガスタービンエンジンは小型ジェット機のエンジンを改造して使います。今まではディーゼルエンジンが主流でしたが、今回の排水機場は騒音が少なく、効率のよいガスタービンエンジンを使用します。燃料はストーブなどで使う灯油です。
 県道が迂回されて、今までの県道の下に樋管を作っています。これで県道の鳥屋野潟側の排水機場と、県道の川側の樋管がつながります。
 樋門には青いゲートが取り付けられているのが見えます。

平成13年11月28日撮影

2002(平成14)年8月27日撮影
 排水機場地上部分がほぼ完成してきました。この夏は台風の上陸が相次ぎ、雨も多かったため、未完成ながら3回ポンプを動かし、鳥屋野潟の水を排出しました。テレビニュースでも報道されました。堤防も形が出来てきて、もう少しで出来上がりそうです。堤防代わりの二重締切は跡形もなくなっています。
 これからの工事は、既設親松排水機場の樋門・樋管を撤去します。その部分は堤防の高さが足りなかったのですが、既設樋門・樋管を撤去した後、堤防をかさ上げします。

平成14年8月27日撮影

2003(平成15)年1月撮影
 2002年8月の写真と比べてどこが変わっているかわかりますか?
 隣の親松排水機場の前に台形の締切があります。親松排水機場の樋門撤去の準備です。
 駐車場など排水機場周辺の整備も終わっています。この写真ではわかりにくいですが、きれいな駐車場に仕上がりました。また、建物の内部はほぼ完成しています。
 内部のポンプも、これまでは未完成状態で運転していましたが、2002年12月に完成しました。完成後のポンプ運転は、パソコンで行います。マウスでクリックするとポンプが起動します。この規模の排水機場をパソコンで操作するのは初めての試みです。

平成15年1月撮影

2003(平成15)年8月撮影
 鳥屋野潟排水機場の工事は、ほぼ完了しました。
 これからは、隣の親松排水機場の古い樋管を撤去し、堤防をかさ上げします。写真では県道の下に4つの箱が見えます。これが古い樋管です。
 その左隣には、取水樋管を新しく造っています。取水樋管とは、信濃川から田んぼなどに水を引き込む施設です。今までは古い樋管のところに取水施設がありましたが、今回の工事で水を引き込むことができなくなってしまうので、その代わりに造ることになりました。
 一見矛盾した施設のように思われますが、必要な水を取り込み、生活に被害を及ぼす水を排出する。このように水の流れを制御して、私たちの生活を守り、役立てます。

平成15年8月撮影