ほくりく学ぶくん通信
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vol.16 調べ学習で得た知識を現場で確かなものに 常願寺川の治水を学ぶ
「あばれ川」常願寺川から 私たちの生活を守る護岸や堤防の役割を現場で実感

現場を見て知る、川を守る仕事

 ヘルメットを被るのは「生まれて初めて」。児童の皆さんにはヘルメットが少し重く感じられたようですが、工事現場では安全を守るために準備万端、あご紐をしっかり締めて護岸工事の現場に向かって歩き出しました。今回、現地見学会を実施したのは富山市立藤ノ木小学校の4年生の皆さんです。富山市内を流れる常願寺
川では、昨年の豪雨災害で壊れた護岸を修復するための工事が進められています。
 工事現場では、通常の川底よりずっと深い場所から基礎を固め、ブロックや石で補強する工事が行われていました。普段は関係者以外立ち入れない工事現場ですが、今回は国土交通省富山河川国道事務所の協力によって、万全の安全管理のもとに見学を実施することができま
した。
 大型の重機が動いている現場に直接入ることはできないので、遠巻きに工事の全容が把握できる場所から見学しました。工事を管轄する出張所の職員から、「100人を越える4年生児童全員よりも六脚ブロック一つの方が重いこと。延長100mの護岸を造るのに敷き詰める石は約20,000個も必要なこと」などの説明を受けると、児童の皆さんから驚きの声が上がりました。
昔の十字ブロックの跡を見る。「こんな高い所に川底があったんだ
昔の十字ブロックの跡を見る。「こんな高い所に川底があったんだ」

学校の要望から、より効果的な学習に

 藤ノ木小学校は常願寺川に近く、4年生は「川」をテーマに「総合的な学習の時間」の学習に取り組んでいます。川の学習を通じて児童が自ら問題を調べ、解決し、取りまとめて発表できるように、学習が計画されています。学習の対象となっている「常願寺川」には、今も「大場の大転石」などが残されているように、古くから洪水や土砂災害に苦しめられてきた歴史があります。一学期に見学した「大場の大転石」がきっかけとなり、今日の常願寺川学習が始まりました。
 まず、常願寺川の上流域にある「立山砂防事務所」の『僕ら「さぼう」探検隊』で砂防の体験学習を行いました。次に学校から近い下流部の護岸や堤防について調べ学習を進めました。はじめは机上の学習ですが、それでは補えないものがあり、先生は現場での体験学習を実施したいと考えていました。
 常願寺川を管理する富山河川国道事務所では以前から、常願寺川に関する副読本を小学校に配布しています。先生はその副読本を見て、事務所に相談を持ちかけました。相談に応じた事務所の提案によって、常願寺川の説明だけでなく、護岸や堤防が実際に造られている工事現場も見学することになりました。

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国土交通省北陸地方整備局