ほくりく学ぶくん通信
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vol.12 大きな川の水辺に近づき、水とふれ合う学習
水系をたどって広がる学習近くの小川から遠くの大河へ
身近な川からはじまる学習

 上越市の高田平野の西側には河岸段丘が広がっており、上越市立飯小学校はその段丘上に建っています。近くには小川や森がある自然豊かな場所です。
 同小学校4年生は、総合学習として第1学期から川に関わる調査活動を進めてきました。まずは、身近な場所にある川探検として、学校に近い大瀬川に入って生き物調べやゴミ拾いをしました。次に、少し離れた正善寺川に出かけて植物や指標生物に注目し、大瀬川との違いについて考えました。カニやカメなど予想以上に生き物が多くいるという結果を受けて、地元の川への認識が深まります。
 もっと下流を調べたいという子供たちの要望に応えるため、大瀬川や正善寺川が合流する関川での学習を先生は企画しました。関川は市の中心部を流れる1級河川で川幅が広く大きな川です。学校からやや離れた場所にあり、子供たちは今まで橋の上から見る程度の機会しかありませんでした。
 事前に本などで関川について調べ、それから、川に行って確かめることにします。しかし関川は川幅が広く水深もあって危険な場所が多くあり、安易な計画は立てられません。川に安全に近づけて、子供たちが水にふれ合えるような場所はどこにあるのでしょうか。

大きな川の水辺に近づく
 関川で子供たちが学習できる場所を探し続けていたところ、高田河川国道事務所発行の関川についてのパンフレットを見て、事務所が関川で様々な体験活動を支援していることを知りました。先生は事務所に連絡をとり、関川の中・下流部で活動に適した場所や支援内容について相談しました。数回の打合せをし、安全管理面で必要な職員が応援し、9月17日に関川での体験学習が実施されました。場所は謙信公大橋の下流左岸側です。階段状の緩傾斜護岸となっており水際まで近づけます。ここで、浮子(ふし)を使って川の流れる速さを見たり、パックテストによる川の水質や透明度の調査を行いました。
 パックテストのチューブは一人一人が実施できるように配られ、また透視度計も全員が覗き、子供たちが一人一人体験できるように行われました。関川で採った水と、事前に事務所の職員が採ってきた正善寺川との水の比較も行いました。パックテストは試薬の入ったチューブに、川から採った水を入れて変化する水の色を見るテストです。透視度計は、底に文字の書かれた筒状の器具です。垂直に立てた筒の中に水を満たして少しずつ水を抜き、底に書かれた文字がはっきりと見えたところの水の高さを読み取ります。筒に残った水が高い位置にあるほど透明度も高いと判定できます。
 結果は人によって多少の差は出てしまいましたが、これも子供たちが自ら判定した結果として尊重しました。子供たちからは機材等の使い方のほか、「流された浮子はどうなるの」「鳥や草の名前」などの質問がありました。


体験学習
橋の上から浮子を落とす
橋の上から浮子を落とす
パックテストで水質調べ
パックテストで水質調べ
透視度計をのぞきこむ
透視度計をのぞきこむ

 

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国土交通省北陸地方整備局