「“体験だけ学習”ではなく本当の体験学習を」と川嶋さんによる熱い講義に、参加者も熱い眼差しで応えていた
学校や地域の団体で河川をテーマとした総合学習がより楽しく、効果的に行われるための実践的な指導者を養成することを目的とした「川の総合学習研修会 ―ティーチャーズ・サポート・ワークショップ―」が、8月20・21日の両日にわたり、富山県・八尾町にある神通川水辺プラザ内の「自然ふれあい学習館」で行われました。
研修会には富山県内の小・中学校の先生や民間の自然体験学習の指導員ら計14名が参加。講師には自然体験型環境教育の分野で活躍されている(財)キープ協会の川嶋直さん、元キープ協会の増田由香子さんを迎えて行われました。
「総合学習は新しい学び方が必要。まず、これまでの固定観念を取り払うことからはじめよう」と川嶋さんのユニークな語り口による熱のこもった講義が展開され、受講者は「自然を活用した総合学習の基礎」と「学習プログラムの作り方」を中心に2日間をかけて学びました。
研修会は、「水辺の楽校」などを活用して行うことも考慮され、当日も「川の総合学習図鑑」づくりの実習では素材を集めるために「神通川水辺プラザ」を班ごとに分かれフィールドワーク。「子どもたちに教える前に、まず自分が川を知り、自然を楽しみたかった」(荻沢芳美先生/高岡市・野村小学校)と、川を学習テーマとする可能性やプログラムの考案にあたっていました。
研修会は今回に続き、9月には総合学習の実用プログラムを学ぶ「富山の川での実践勉強会」、10月以降には実用プログラムを元に各河川で実際に演習する「常願寺川、神通川、庄川、小矢部川の学習会」が予定されています。参加した先生からは「これまで生徒のポテンシャルを追求することばかり考えていだが、そうでない学習の糸口が見いだせた」(越田康彦先生/八尾町・杉原中学校)と総合学習に対する認識を新たにした感想が聞かれ、次回以降の参加にも意欲を見せていました。
講師の川嶋さんは「総合学習は地域全体の教育力を高めることでもある。先生が一人ですべてを抱え込むのではなく、地域の人材や組織と積極的に連携して、全体的なレベルアップを図って欲しい。今回がそのきっかけとなれば」と話していました。
教室を離れ、現場に出た図鑑づくりの実習では、「人のいったことは否定しない」「自分の発言に責任を持たない」というお約束事により活発なアイデア出しが行われた
でき上がった図鑑をみんなで鑑賞。わずか数時間でユニークな題材が集まった
国土交通省北陸地方整備局