ほくりく学ぶくん通信
ほくりく学ぶくん通信
ふるさとに目を向け、学びをきりひらく未来への提言から始まる“生きる力”の創造
「こんな夢を描けるようになった…」ふるさとを調べてみたら、たくさんの力が身に付いた
「生きる力を育てる」ことに力を入れる
 平成12年度から新潟県小学校教育研究会(※)の指定研究校となっている島田小学校では、研究主題を「自ら学びをきりひらいていく子供の育成」と定め、これをさらに広げていくための視点として、「自分を見つめる」「人とかかわる」「未来へ発信する」の3点を掲げて、地域を素材に“子どもたちの生きる力を育てる”ための実践に努めてきました。もともと同校には、10年以上続けられてきた「ふるさとふれあい活動」の実績があり、「総合的な学習の時間」の舞台として地域を考えることはそう難しいことではなかったようです。
 良寛ゆかりの地である和島村は、豊かな自然、歴史や文化が息づく学びの宝庫でもあります。子どもたちはふるさとの良さに触れ合い、地域の人や家族と関わりあいながら、自分たちの住む和島村を研究していきます。それは、単なるふるさとの研究にとどまらず、ふるさとの未来に向けての具体的な提言へと発展していきます。その発表の場が「島田フォーラム」なのです。
新潟県小学校教育研究会:県内小学校における教育実践を通した調査研究と実態調査により、学習指導の改善・充実を図ることを目的に設立された小学校教師の団体。
本当の"学習の価値"の
創造をめざして
和島村立島田小学校
碁石 学 校長先生
 自分たちが住む村を将来どのように生かし、発展させるか。子どもたちの夢を未来の和島村に向けた提言としてまとめ、地域の人々に向けて発表する場として、和島フォーラムが企画されました。
 本校では学びのテーマを決める前に、まず多様な経験をさせます。するとさまざまな疑問が浮かび、調べたい気持ちが湧いてきます。そこに目を向けさせるための活動に、私たちはウエイトを置いています。
 次に重視しているのは、追求する力を養うことです。粘り強く調べていくことで、和島村のよさに触れながら、自分の住んでいるこの地を理解していきます。そして、村をよくしたいという気持ちや郷土愛が生まれてくることに期待しています。フォーラムでの提言も、実現の可能性は重要視してはいません。地域を愛する心を、夢として描くことが重要なのです。
 物事を考える基礎づくりがなされるとともに、「勉強してよかった」「こんなことも考えられるようになった」「こんな夢も描けるようになった」という学習効果を狙っています。それが本当の“学習の価値”につながるのではないかと私たちは考えています。
 
国土交通省北陸地方整備局