自分の思いを重ねながら夢を育む子供たち
子どもたちが地域にさまざまな接点を求めながら、ふるさとの魅力を掘り起こし、未来への夢を育んだ――。
新潟県和島村立島田小学校が進めている「総合的な学習の時間」の取り組みは、ともすれば学習成果をまとめ、発表するという“実績報告型”で消化されがちな学習プログラムとは大きく異なる特徴を持っています。
同校の「総合的な学習の時間」は、まず、子どもたちの視点を地域に落とし込み、さまざまな接点を地域に求めていくことから始まります。多様な体験、見聞を重ねることで、その過程から湧き起こる疑問や好奇心、地域への愛着が原動力となり、子供たちは自然と自らの思いを重ねながら学習を進めていきます。学習の価値は、こうした流れの中でいつのまにか子どもたち自身の感動によって見出され、獲得されていくのです。「総合的な学習の時間」は“生きる力の育成”が柱の一つになっていますが、地域をフィールドに学習を進めてきた同校の子どもたちには、「生きる力」が驚くほどしっかりと身に付いているようです。それは、さる11月13日に保護者や和島村長をはじめとした地域の人々、子どもたちの疑問に答えるかたちで「総合的な学習」を支援した北陸地方整備局長岡国道事務所や教育関係者を集めて行なわれた、6年生の子供たちによる「島田フォーラム」ではっきりと示されました。発表中に思わず声を詰らせてしまうほどに子どもたちの“思い”が結集された学習成果は、聞いている私たちも感動を覚えました。
島田フォーラムは単なる発表の場ではない。積極的に相手に働きかけ、自分たちの考えを
理解してもらう能力を身に付ける機会でもある
国土交通省北陸地方整備局