いま、千曲川が多面的な「総合的な学習」を行う素材として、流域各地の小学校などから注目を集めています。千曲川には自然や生物の観察、水質調査などの環境問題、流域の文化、歴史など多様な学びの要素があり、川に親しみ、地域を学ぶ「総合的な学習」には最適なテーマとなっているようです。千曲川の維持・管理を担当している国土交通省北陸地方整備局千曲川工事事務所では、流域の小学校による千曲川フィールドワークの支援や情報提供、出前講座などを積極的に行っており、流域の小学校などからのさまざまなご要望にお応えしています。
これまでに千曲川を素材に行われた「総合的な学習」としては、次のような事例があります。芹田小学校(長野市)では、親子レクリエーションを兼ねて、千曲川の水質調査を行いました。参加した児童たちは、事前に千曲川工事事務所による「出前講座」で千曲川の水生生物の種類や水質との関係を学習。その上で実際に千曲川で"生き物"や"水"に接した児童は、「川が汚れると虫たちも生きていけないことが分かった」と、自然や環境についての理解を深めました。飯山小学校(飯山市)では、「出前講座」で千曲川に生息する魚や河川敷の植物について学習。校内での水族館づくりに取り組みながら、「千曲川はふるさとの川」という思いを強めています。
また、千曲川の支川である犀川も総合的な学習のテーマに取り上げられています。明南小学校(明科町)では、いかだづくり、水質検査、酸性雨調査、水生生物、野鳥観察などのテーマで水辺観察、水辺体験を行ったほか、更府小学校(長野市)では「昔、犀川で泳いだことがある」というお年寄りのお話しを聞き、当時の水質データを調べるため千曲川工事事務所を訪れました。お年寄りが泳いだ頃のデータはありませんでしたが、30年前からのデータがあり、30年前と比較して最近では水質が改善されていることに驚き、犀川への興味をいっそう深めました。
現在、千曲川工事事務所では、長野市教育委員会「マルチメディア教育利用研究会」と連携して、総合的な学習を支援するためのコンテンツ制作を進めています。千曲川に関する各種の資料やデータをパソコンを通じて利活用できるように整備を進めているものですが、近く試作版が「フルネットセンター」を通じて長野市の小中学校へ配信される予定です。
「ほくりく学ぶくん通信」では、随時、総合的な学習の現場を訪ねて、こうした事例をレポートしていきますので、ご期待下さい。 |
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