中越地震による被害の特徴は、中山間地域を震源とする地震であり、震源地付近は日本有数の地すべり地帯であったことから、斜面の崩落などの地盤災害に伴う様々な被害が発生した。
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土砂災害による家屋の倒壊
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地震動による家屋倒壊だけでなく、斜面の崩落土砂や基礎地盤の崩壊等により5名の人的被害と93戸の家屋に倒壊等の被害が発生した。 |
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表1-1-2 土砂災害の発生状況 |
土砂災害 |
地すべり |
崖崩れ |
土石流等 |
131 |
115 |
21 |
人的被害 |
死者 |
行方不明 |
負傷者 |
4 |
― |
1 |
家屋被害 |
全壊 |
半壊 |
一部損壊 |
18戸 |
27戸 |
48戸 |
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新潟県資料 |
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写真1-1-2 地すべりによる家屋倒壊(山古志村油夫) |
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(2) |
道路の寸断と集落の孤立 |
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斜面崩落に伴う生活道路の寸断により、山間地域に点在する7市町村61の集落が孤立した。
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写真1-1-3 道路の寸断で孤立した集落(山古志村楢木) |
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(3) |
河道の閉塞による浸水被害や住民避難 |
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信濃川支川である一級河川の相川川(川口町小高)、朝日川(小千谷市浦柄)、芋川(山古志村東竹沢等)などで河道閉塞が発生し、これにより、住宅の浸水被害が発生した他、芋川等では下流住民が避難するなどの事態に至った。 |
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写真1-1-4 |
朝日川があふれ浸水した道路・家屋
(小千谷市浦柄) |
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写真1-1-5 |
河道閉塞が多発した芋川(山古志村寺野) |
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(4) |
農地等生活基盤の被害 |
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山古志村を中心とする山間地域では、棚田や養鯉池が崩れるなど生活基盤に大きな被害が発生した。 |
(5) |
観光資源への被害 |
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国指定重要無形民俗文化財であり小千谷市や山古志村の重要観光資源である「牛の角突き」の闘牛牛舎が倒壊し、闘牛に被害が発生した。また、農山村集落の代表的景観である棚田が崩壊するなどして景観が変化した。 |
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