大自然の力が生み出す土砂
厳しい自然条件を反映して、北陸地方建設局の管内には、土石流、地すべり、急傾斜地の崩壊などによる土砂災害危険個所が約15,000箇所も存在し、砂防指定地の面積は約1,400平方キロメートル、地すべり防止区域の面積は約400平方キロメートルに達し、それぞれ全国の17%、37%を占めています。
江戸時代末期の安政5(1858)年、立山連峰を襲った大地震は、常願寺川の源流部に大崩壊を引き起こしました。このとき山から崩れ出た土の量は4億1千万立方メートルに達するといわれています。この大量の土砂は川の流れをせき止め、天然のダムをつくりだしました。やがて、そのダムが決壊したために、下流に土石流が押し寄せ、140人もの溺死者と2,500戸の流失家屋という大災害が発生しました。
また、姫川の上流にある稗田山も、明治44(1911)年に推定1億5千万立方メートルの土砂が崩壊して、多数の死者を出しています。
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姫川水系支川浦川上流の稗田山の大崩壊地
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