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第2回鶴来緑化懇談会

1.一般国道157号鶴来バイパス道路緑化懇談会資料(第2回)

7 植栽樹種の検討

3)自然植生の調達方法−計画地周辺で採取可能な種子を活用する−

 本計画は、地域固有の自然植生による道路緑化を目指している。ここで想定される樹種は、前述の関係資料および周辺の社叢林調査で概ね明らかになったが、最近は遺伝子レベルでの研究も進み、同じ樹種であっても地域によって個体差があることが明らかになり、これら地域固有の種の保存と活用が重要になっている。
 このことを踏まえ、本計画では計画地周辺の自然植生を母体とする樹木を調達したいところであるが、これら樹木は地元では生産されず市場に出回っていない。このことから、地域固有の自然植生を目指すには、前述の計画地周辺の社叢林等から幼木もしくは種子を採取する方法が最適である。ただし、幼木はその発見と数に限りがあり、種子は発芽率や育苗の肥培管理に懸念がある。
 この点に関しては、後述する他県の事例を参考にしながら、本計画では計画地周辺の社叢林調査で確認された自然植生樹種の種子を採取し、じか植えや育苗幼木の植栽によって自然植生の復活を図るものとする。
 なお、参考に最近の「建設物価」をもとに、購入木調達の可能性も推定した。

■自然植生の調達可能性
樹種
※1
地元の樹木 外部の樹木
(購入木)
(購入木) (現地採取)※2
幼木 種子 成木3m以上 幼木0.5m内外
タブノキ --
ケヤキ --
スダジイ --
ウラジロガシ -- -- --
モチノキ --
シロダモ -- ×
ヤブニッケイ -- ×
ヤブツバキ --
ネズミモチ -- ×
ヒサカキ -- ×
チャボガヤ -- -- -- --
ハイイヌガヤ -- -- -- --
ヒメアオキ -- -- --
トベラ -- ×
ヤツデ -- -- --
ムラサキシキブ -- -- --
コバノガマズミ -- -- -- --
コシアブラ -- -- -- --
ウワミズザクラ -- -- -- --

※1 掲載樹種は、前記自然植生の主な樹種
◎豊富 ○普通 △やや困難 ▲困難 ×極めて困難 --記載又は該当なし
※2 計画地周辺の社叢林等の自然植生地から種子を採取する。

4)植栽素材の選定−自然植生のほか、地域の表土も活用す−

 本計画は、実証フィールドにおける自然植生復元を目指し、下記の基本方針で植栽素材を確保することとする。

(樹種)
・計画周辺の社叢林等の自然植生地から、地域固有種の種子を採取する。
(表土)
・さらに、本計画では、周辺地域の各種工事等で発生する里山等の半自然植生の表土を、自然植生に遷移する貴重な植栽素材として、その活用を計画の一部に加えることとする。
植栽素材 自然植生 表土含有物
現地採取 購入
成木      
幼木      
     
     
種子      

(凡例)

・・・植栽可能だが、調達困難
・・・調達可能な素材

※植生用語の概説

原植生 …人間活動が開始される以前の植生
現存植生 …現在我々が目にする植生
└→自然植生 …人間活動がほとんど及んでいない植生
└→代償植生 …人間活動で変わった植生
└→人為植生 …人間活動によってのみ維持されている植生
└→半自然植生 …雑木林のような半自然な植生
潜在植生 …人間活動が存在しないと仮定した場合に実現するであろうと推定される植生

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