事業の目的

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神通川の源流部は3,000m級の山々が連なる北アルプス連峰と呼ばれる高山地帯のため、植生が乏しく日本有数の山地荒廃地であり、下流域に流出土砂による幾多の災害をもたらしてきました。神通川上流域は、中部山岳国立公園の一角をなす豊かな自然と、奥飛騨温泉郷などの資源に恵まれているため、毎年たくさんの観光客が訪れています。そのため、土砂災害の防止とあわせて、地域の一層の発展を支援する砂防事業の新たな取り組みが行われています。

  • 北アルプスの恵まれた自然環境との調和
  • 地域整備計画と一体となり、地域づくりを支援
  • 安房トンネルの開通による、北陸と関東を結ぶ重要路線を守る
  • 奥飛騨温泉郷・上宝町の「砂防学習村宣言」を支援
  • 災害情報の高度情報化

事業内容

  • 蒲田川、平湯川流域の重点整備
    蒲田川
    /蒲田川は、北アルプスの重荒廃地に属し気象条件も厳しく荒廃が著しく進んでいます。平成9、10年と左俣谷で土石流災害が発生するなど右俣谷、左俣谷、外ヶ谷、足洗谷などの崩壊は著しく進んでいます。一方で自然豊かな環境を利用した観光施設である新穂高ロープウェイや周辺の温泉地が地域経済の要となり、多くの観光客が訪れています。こうした観光資源及び観光客の安全・安心の確保を念頭に土砂生産源への対策として、土砂生産抑制・流出土砂抑制及び流出土砂調節を行うための砂防施設整備を促進します。
    平湯川/平湯川流域は、平湯・福地・新平湯温泉を中心に多数の観光客が訪れる地域であり、活火山の焼岳(活動度ランクB)、アカンダナ山(活動度ランクC)を抱え、火山性荒廃地が広がっています。住民及び150万人を超える観光客の安全・安心の確保を基本に流域の変化を踏まえ、自然に馴染んだ愛される整備を念頭に、土砂生産抑制・流出土砂抑制及び流出土砂調節を行うための砂防施設整備を促進します。
  • 土石流危険渓流の重点整備
    神通川水系砂防事務所管内には多数の土石流危険渓流が存在し、安全が十分に確保されていない場所が多くあります。被害想定区域に災害時要援護者施設を有する渓流や資産が集中する渓流について優先的に砂防施設整備を促進します。
  • 流木対策施設の重点整備
    神通川の下流域では、平成11年(台風16号)、平成16年(台風16、18、23号)、平成18年(梅雨前線豪雨)の出水で大量の流木が流出、漂着し、富山湾では定置網の損傷など甚大な漁業被害が生じた他、港湾施設にも被害が生じました。このことから下流域への流木被害軽減のため、流木対策施設の整備を推進します。

事業概要