奥飛騨地域での工事の特徴

奥飛騨地域は、年間約150万人の観光客が訪れる自然豊かな日本有数の観光地です。そのため、砂防工事を行う際には、周辺の自然環境・景観及び観光客に十分配慮する必要があります。

「現地で発生する巨石」の利用について

砂防工事では、土石流などの土砂災害から地域住民の生命・財産を守るため、砂防えん堤や石積み護岸等の砂防施設を整備しています。
砂防施設の整備には、主な材料としてコンクリートを使用していますが、土石流等の強大な力を持った土砂等の流出時にはコンクリートの表面が摩耗することがあります。そのため現地の巨石を利用し、コンクリートの表面に巨石を張ることで土石流等による摩耗を軽減し、砂防施設を長持ちさせるための工夫を行っています。また、巨石を利用することで景観にも配慮した砂防施設を整備しています。

巨石の大きさは直径0.5m~2.0m、重さは約230kg~3,000kgにもなります。

「石積み護岸」の施工について

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施工例

巨石と巨石を組み合わせ、その間にコンクリートをつめ、石積み護岸を整備します。この巨石は工事中に土砂掘削により発生した巨石(直径0.5~2.0m)を利用しています。

「魚道」の施工について

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施工例

砂防えん堤や床固工などの横断構造物(川の流れに対して垂直なもの)を設置した場合は、高低差が生じるために魚類等が上流や下流へ行き来ができなくなります。
そこで、現地の石などを利用した魚道(滑り台)を作ることで魚の行き来を可能にします。