国土交通省 北陸地方整備局 北陸技術事務所

  • 維持管理・品質管理

水質調査

目的

国土交通省における水質調査は、河川の適正な利用、流水の正常な機能が維持されるよう、また、公共水域での水質汚濁に係わる環境基準の達成状況の監視を目的としており、河川法、水質汚濁防止法、ダイオキシン類対策特別措置法等に基づき実施されている。

調査結果は、下水道の整備、浄化対策等の水質保全に活かされるとともに、報道機関や日本河川水質年鑑、水質年表、水質汚濁防止連絡協議会等に公表を行っています。

毎月の調査結果は、北陸地方整備局ホームページで公表しています。

調査結果はこちら

水質調査概要

  1. 水質汚濁防止法に基づく公共用水域の水質測定計画による水質試験
    水質汚濁防止法第16条に基づき、毎年、水質測定計画を策定し、これに基づき水質調査を実施しています。生活環境項目については、毎月、その他の項目については、1年間に1~数回調査しています。
    直轄河川では、荒川、阿賀野川、信濃川、関川、姫川、黒部川、小矢部川、神通川、常願寺川、庄川、手取川、梯川の12水系15河川で実施しています。
  2. 水質汚濁防止法に基づく地下水水質試験
    水質汚濁防止法に基づく地下水の水質測定計画による調査地点で実施しています。
  3. ダイオキシン類調査(※外部試験機関に委託)
    ダイオキシン類は平成11年から、直轄河川(荒川、阿賀野川、信濃川、関川、姫川、黒部川、小矢部川、神通川、常願寺川、庄川、手取川、梯川の12水系15河川)の代表地点で実施。

水質調査項目

各河川の水質測定計画に基づき、以下の項目について調査しています。

以下のファイルをダウンロードして使用してください

※「水質用語集(平成19年4月、国土交通省北陸技術事務所)」より
※PDFファイルの閲覧には Adobe Reader が必要です。

  1. 単位一覧
  2. 公共用水域水質測定結果の数値の取扱いについて
  3. 用語の読み方及び略称
  4. 河川管理上参考となる書籍
   索引
   索引(欧文)

採水の手引き

水質試験の精度は、室内分析作業の精度に加えて、現地での適確な採水・測定作業が必要不可欠です。以下、実際に現地で採水作業を行う担当者が作業を適切かつ円滑に行うのに必要な基本的事項について説明します。

以下のファイルをダウンロードして使用してください

※「採水の手引き」(平成13年3月、国土交通省北陸技術事務所)より

水質分析

  1. 水質試験の方法
    各水質調査項目の水質試験は、「河川水質試験方法(案)(1997年版)試験方法編(建設省河川局監修、建設省建設技術協議会水質連絡会・(財)河川環境管理財団編)」に基づく試験方法等により実施している。
  2. 主な試験装置

主な試験装置

pH計

検水中にガラス電極と比較電極を入れ、両電極間に生ずる電位差を測定し、pHを求める。

pH計

導電率計

あらかじめ、導電率標準液を用いて定数を求めておき、同一条件で検水の電気抵抗を白金黒電極法(零位法)で測定し、計算により導電率を求める。

導電率計

全有機炭素計(TOC)

BODと同様に河川の汚濁の程度を表す代表的な指標で、全有機態炭素という。水中に含まれる有機物を炭素量で表したもので、この装置により測定する。

全有機炭素系(TOC)

光学顕微鏡

ダム湖、湖沼などの水中に、植物の栄養となる塩類が増加すると、プランクトンが繁殖する。ここでは、珪藻、緑藻、藍藻などの植物プランクトンや、ミジンコなどの動物性プランクトンを観察同定している。

プランクトン1
プランクトン2
光学顕微鏡

粒度分布測定装置

コールター原理と呼ばれる電気抵抗法によって粒子を測定する。抵抗変化は、粒子の大きさ(体積)に比例するので、この抵抗変化を電圧パルスに変換し、これを増幅、検出して粒子の計数とサイズ測定を行う。

粒度分布測定装置

濁度計

検水に光を照射し、その中を通過した透過光量と検水中の微粒子によって反射されて生じる散乱光量を測定し、その比から濁度を求める。

濁度計

ICP発光分析装置

原子及びイオンを発光スペクトルにより分析するもので、アルゴンガスに高周波をかけ、放電させることによって発生させたアルゴンプラズマ中に、霧状にした試料を送り分析。多元素同時測定が可能。

試験項目:カドミウム、鉛、ひ素、クロムなどの金属。

ICP発光分析装置

紫外可視分光光度計

比色分析の時に使用する機器で、呈色させた試験溶液をある一定の波長において吸光度を測定し、目的成分の濃度を求める。

試験項目:窒素、リン、クロロフィルなど。

紫外可視分光光度計

ガスクロマトグラフ(GC)

キャリヤーガス中に注入した試料をカラムで分離、ECD等の検出器で測定する。

試験項目:PCB、アルキル水銀など。

ガスクロマトグラフ(GC)

ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)

ガスクロマトグラフに検出器として質量分析計を結合した機器で、ガスクロマトグラフに比べ定性能力に優れ、また高度感であるためVOC(揮発性有機塩素化合物)などの測定に必要不可欠な装置である。

試験項目:VOC、農薬など。

ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)

高速液体クロマトグラフ

移動相(溶離液)を送液ポンプ等によって加圧してカラムを通過させ、試料を固定相(充填剤)及び移動相(溶離液)との相互作用(吸着、分配、イオン交換等)の差を利用して、高性能に分離・定量する。

試験項目:農薬など。

高速液体クロマトグラフ

イオンクロマトグラフ(IC)

高速液体クロマトグラフ法の一種。溶離液を移動相としてイオン交換体等を固定相として分離カラムを用いて試料中のイオン性化学種を分離、溶出し、検出する方法で、陽イオンと陰イオンを別々に測定する。

試験項目:塩化物イオン、硫酸イオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオンなど。

イオンクロマトグラフ(IC)

自動滴定装置

試料を採取したビーカーに電極(指示電極と比較電極)を浸漬し、その両極間に発生する電位差から微分値を計算し、自動的に滴定を行う。

試験項目:アルカリ度、酸度、塩化物イオンなど。

自動滴定装置
ページトップに戻る