国土交通省北陸地方整備局信濃川下流河川事務所 やすらぎのしなのがわ

豊かな海岸を守る〜海岸事業の取り組み〜

海岸の砂浜がなくなる

 新潟海岸は本州日本海側最大の都市である新潟市の前面に位置する砂浜海岸で、背後には本州屈指の大平野である越後平野が広がり、日本の代表的な穀倉地帯となっています。
 また新潟海岸には信濃川、阿賀野川の二大河川が流入し、その膨大な流送土砂によって幾重にも発達した新潟砂丘が曲線的な海岸線を形づくっていました。
 しかし明治時代になってから、信濃川の河川改修による流送土砂の減少や新潟西港の防波堤建設による土砂供給の遮断、更には昭和30年代からの地盤沈下等により、堆積性の海岸から著しい侵食性の海岸に変化してしまい、新潟西港防波堤に隣接する水戸教浜では明治22年以降360mも海岸が後退しています。

 これまでの新潟海岸の変化の様子を見てみましょう。

美しい砂浜を守るために

 そのため新潟海岸では、国土の保全上特に重要な海岸として、国の直轄事業により侵食対策のため海岸保全施設の設備が進められています。信濃川下流河川事務所では関屋分水路左岸から新川漁港までの延長約8kmの海岸について、昭和52年度より離岸堤や人工リーフさらにはヘッドランドを中心に整備を行い、現在では砂浜の回復が見られています。
 なお、新川漁港から東側の約4kmは、事業効果の発現により平成20年度に直轄事業を完了しました。
 また、平成19年度より金衛町工区においてヘッドランド、人工リーフ及び養浜による砂浜の回復を図っています。

整備イメージ図

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自然環境と共存した海岸保全事業の取り組み

 砂浜の回復は、昔の新潟海岸にみられた豊かな自然環境の回復に寄与するものです。一方、今ある豊かな自然環境に影響を与えないよう考慮する必要があります。
 そこで、今後数十年に渡り工事が予定されている金衛町工区では、定期的に環境モニタリングを実施して環境の状況を確認しつつ進めていくことにより、自然環境と共存した海岸保全事業の取り組みを目指しています。

新潟海岸写真新潟海岸調査写真