ほくりく学ぶくん通信

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VOL.23 上越市立小猿屋小学校総合学習〜除雪出動式・見学式に参加〜

雪国の道路を皆で守る 見て触れて学ぶ、除雪の大切さと大変さ

 

除雪体制を確認する出動式
プレゼンテーションソフトによる学習
プレゼンテーションソフトによる学習
ゴールドキーを手渡す
ゴールドキーを手渡す
 上越地方の冬の道路。歩道に雪がたまると歩行者が通れなくなりますし、凍りついた路面は事故や渋滞の原因になってしまいます。歩行者や車が安心して道路を使えるように、高田河川国道事務所と民間の業者、ボランティアなどが協力して除雪を行っています。
 今年も雪の降る季節がやってきました。直江津国道維持出張所(上越除雪ステーション)では、11月から「北陸地方整備局道路雪害対策高田支部」が設置され、今年の除雪体制を整えました。これに合わせ、11月1日に除雪出動式が実施されました。
 除雪出動式は、除雪の大切さを一般の方にアピールする良い機会にもなっています。事務所はこれまで地元の学校に出動式への参加をお願いしてきました。式典と同時に除雪機械を見学して体験試乗もできるので、学校としても総合学習の良い機会になっているようです。
今回は除雪ステーションに近い小猿屋小学校が出動式に参加しました。校区が国道に近いので登下校に国道を通る児童が多く、また日常的に国道の除雪を見る機会も多かったので除雪への関心は高かったようです。 

 

緊張と興奮の2時間
運転席からの眺めは格別
運転席からの眺めは格別
ハンドルやレバーがたくさん
ハンドルやレバーがたくさん
 出動式の前に、職員の解説によるプレゼンテーションソフトの学習が行われました。雪害とその対策、除雪の現場の生々しい映像に児童達は静かに見入っていました。
 近づく冬を感じさせる曇り空のもと、除雪出動式が始まりました。事務所の職員や除雪に当たる業者の皆さんが整列し、代表者のあいさつが続きます。出動式の締めくくりに、緊張した面持ちの児童代表が前に進みました。除雪を担当する皆さんへの感謝の言葉を述べ、事務所長と一緒に除雪機械の鍵(ゴールドキー)を業者代表に引き渡しました。カメラのフラッシュと拍手がわき起こります。
 出動式が終わると見学会の時間に移ります。まず除雪機械のデモンストレーションが始まりました。式を見守るように静かに後ろに控えていた除雪機械がうなりを上げて動き出します。それまでおとなしかった児童達からはざわめきの声。思わず身を乗り出す子もいます。
 続いて体験試乗の時間が設けられました。除雪グレーダとロータリ除雪車に児童が一人一人乗り込み、オペレーターに機械の操作や除雪作業の仕方を教えてもらいました。ボタンやレバーの複雑さ、中から見る目線の高さなど、普通は見られない除雪車の内部は驚くことばかりです。短いけれど笑顔と驚きに満ちた時間でした。

 
児童からの手紙
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凍結防止にまく「塩」
凍結防止にまく「塩」
ロータリ除雪車が動き出す
ロータリ除雪車が動き出す
 「除雪をしてくれてるみなさん、ありがとうございます!」――数日後、見学を終えた児童たちから事務所の職員にお礼の手紙が届きました。
 今回の見学では、日常的に見ていても詳しくは知らなかった除雪の仕事を学びました。一口に除雪車といっても役割によって様々な大きさや種類があることに驚きました。私たちが生活する上で必要な道路を守るために多くの人が努力していること、早朝や深夜にも作業する除雪の大変さも知ることができました。 
 手紙には除雪作業に関わる人たちへの感謝と激励の言葉が多く見られました。今回の見学会によって地域の生活や仕事への関心が高まり、今後の学習に生かされていくでしょう。

先生の声

蟹澤 宏光校長先生

南魚沼市立後山小学校
蟹澤 宏光 校長先生

大勢の人に支えられる雪国の暮らし
 小猿屋は積雪こそ多くはありませんが、毎年数回は地吹雪に見舞われる地域です。最近は通学路の交通量が増えていて、積雪時には素早く丁寧に除雪していただいているので大変助かっています。
 このように私たちの生活を守ってくれる除雪ステーションが近くにあることは児童の多くが知らなかったでしょう。見て触れて乗る、いずれも始めての体験だったと思います。普段なにげなく見ているものを詳しく学ぶことができました。また、大勢の人が除雪の体制をつくって雪国の暮らしを支えてくれていることを感じられたと思います。緊張した雰囲気も大変よかったと思います。良い機会をあたえていただきありがとうございました