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VOL.20 射水市立小杉小学校5年生総合学習〜港と橋から社会資本整備の重要性を学ぶ〜

人や物が行き交う「港」と「橋」 変わりつつある現場を海上から見学する

 

暮らしを支える伏木富山港
これから出発
これから出発
雨の中でも笑顔で
雨の中でも笑顔で
 貿易大国である日本にとって港は重要な物流拠点です。伏木富山港は国際貿易港として、特に重要な「特定重要港湾」に指定されています。
 7月4日、射水市立小杉小学校の5年生児童35名が港の見学に訪れました。まず監督測量船「こまくさ」に乗船しての見学会です。当日は小雨模様でしたが、児童たちは船を前に興奮を抑えきれません。乗り込む最中にも歓声が上がります。座席に座っても落ち着かない様子のまま、船は出港しました。
 港湾事務所の担当職員が解説に当たり、港の機能や輸出入される貨物、港内の船や施設について丁寧に説明していきます。周辺の工場や発電所で使う木材チップや燃料、アルミインゴットなどがふ頭に積み重ねられています。
 海王丸に近づくとひときわ大きな声が上がりました。おなじみになっている富山新港のシンボル・海王丸も海側から見ると新鮮に映ったようです。海王丸パーク、海竜マリンパークなどの施設には多くの人が訪れ、「日本海ミュージアム構想」によって文化や環境保全、レクリエーション整備が進められています。

 

地域をつなげる橋を建設中
建設中の橋脚
建設中の橋脚
監督測量船「こまくさ」
監督測量船「こまくさ」
 建設中の新湊大橋(仮称)が近づいてきました。現在、港の東西をつなぐ臨港道路東西線の建設が進んでいます。その中心となる斜張橋は長さ600m、主塔の高さは127mにもなり、完成すれば新しい富山新港の象徴となることでしょう。東の堀岡地区と西の越の潟地区との間を移動するためには、これまで自動車だと15分、自転車・徒歩だと30分に1便の渡船を利用しなければなりませんでした。新しい東西線を利用すれば、自動車なら約10分の短縮、自転車や徒歩ならいつでも橋を渡って東西を行き来できるようになります。建設中の橋梁を間近に見て、児童たちもその大きさと高さを実感したようです。
 隔てられていた東西の地域が新しい橋によってつながり、交通利便の向上、地域交流や街の活性化が進むなどの様々な効果が期待されます。そして、増え続けるコンテナ貨物をスムーズに運ぶなど物流の円滑化を図ることができます。新しい橋は平成20年代前半の完成が予定されています。
 
変貌する港を海の上から眺める
模型で港の大きさを実感する
模型で港の大きさを実感する
手で触って確かめる
手で触って確かめる
 「係留している船はどこから来たの?」「海に浮いているもの(標識灯)は何だろう?」「橋の作業員の人は怖くないの?」関心の向く方向は様々ですが、児童たち一人一人に新しい発見があったようです。「楽しいけど短かった」と児童の一人がコメントしてくれたように、笑顔が絶えない30分の船旅は終わりました。
 その後、ビデオ上映で港の役割を学習し、海王丸パーク内の「みなと交流館」に移動しました。ここでは港や建設中の橋についての事業内容を、パネルや模型・ビデオによって紹介しています。職員の話をメモに取ったり、模型を手で触ってみたり、クイズに答えたりと楽しい時間を過ごしました。
 射水市内の小学校では5年に港の授業を実施しています。それに合わせて伏木富山港湾事務所と射水市とが協力し、港湾についての総合学習支援プログラム「みなと見学会」を実施するようになりました。平成16年度からは臨港道路東西線の建設現場を見学コースに組み入れ、変貌を続ける港の様子を実感できる内容になっています。今後も変貌を続ける伏木富山港。事業の進展に合わせ、現状に合わせて柔軟に、効率的な支援プログラムが用意されることでしょう。
 

先生の声

中川 智子先生

射水市立小杉小学校
5年生担任

中川 智子先生

進んで調べる意欲を高めたい
 射水市の教育委員会から、今回の港見学についての案内をいただきました。子供たちにとって身近な場所でもある伏木富山港を知る良い機会だと考え、利用させていただきました。
 体験乗船はあまりない機会で子供たちも喜んでいましたし、ビデオも地元に密着したわかりやすい内容でした。今回の見学をきっかけにして、港の役割についての子供たちの理解を深めるとともに、貿易の働きや日本と海外の関係について進んで調べようとする意欲を高めてきたいと思います。2学期に予定している「工業生産と貿易」の学習では子供たちの反応に期待しています。本日は貴重な機会をいただき大変ありがとうございました