ほくりく学ぶくん通信

ほくりく学ぶくん通信

vol.18のはじめへ

学ぶくん通信トップへ

VOL.20 新潟市立木戸中学校2年生総合学習〜萬代橋・柳都大橋資料館見学〜

いつも利用している身近な橋。そこに秘められた歴史と技術を発見した。

 

「永遠」を意味する萬代橋
萬代橋博士が橋の歴史や構造を解説
"萬代橋博士"が橋の歴史や構造を解説
六連アーチが美しい萬代橋
六連アーチが美しい萬代橋
 「その昔、信濃川の川幅は、今の2倍もありました」という“萬代橋博士”の言葉から始まった今回の総合学習。“萬代橋博士”というのは、萬代橋資料館で、橋について説明してくれる角山智美さん。まずは萬代橋の歴史について、パネルを使って解説が行われました。かつて、信濃川下流域にはひとつも橋がなく、対岸に渡る手段といえば有料の渡し船だけでした。明治時代に入ると、「新潟がこれから発展するために、橋は不可欠である」という声が高まり、明治19年に木造の初代萬代橋が完成しました。
「萬代(よろずよ)」という言葉には「永遠(よろずよ)に」という意味があり、これからずっと新潟の発展を支える橋であってほしい、という人々の願いが込められているのです。

 

萬代橋の用・強・美
萬代橋の用・強・美をパネルで説明
萬代橋の用・強・美をパネルで説明
 ところが、初代の橋は明治41年の大火により焼失。明治42年に二代目の萬代橋が架けられ、昭和4年には、より頑丈な鉄筋コンクリートのアーチ橋(三代目・現在の萬代橋)に架け替えられたことが説明されました。三代目萬代橋の橋脚を造るにあたっては、当時の最新技術「ニューマチックケーソン工法」を採用。総工費240万円で、当時の国の道路予算350万円、新潟県予算1,139万円と比較するとその巨額さが分かり、皆おどろいた様子でした。それほど、萬代橋は新潟の未来を託された橋だったといえます。
 三代目萬代橋は、昭和39年に起こった新潟地震の際も、一部に損傷を負っただけで、唯一車両通行ができる橋として地域の復旧を支えました。また、リズム感のあるアーチと重厚感のある御影石、夜のライトアップなど、萬代橋の美しさは、県内外に広く知られています。
 ここまでで、萬代橋は新潟の都市機能を支える「用」、地震にも負けない「強」、全国に誇れる「美」の橋であることが説明されました。
 
柳都・新潟のニューシンボル
モダンなデザインの柳都大橋
モダンなデザインの柳都大橋
柳都大橋の1/1000の模型
柳都大橋の1/1000の模型
  重厚感のある萬代橋に対して、平成14年に開通した柳都大橋は、モダンで軽やかなデザインが特徴です。こちらの橋脚工事にも、ニューマチックケーソン工法が採用されました。ビデオ鑑賞では、ロボットの遠隔操作でニューマチックケーソン工法を行う映像が映し出され、興味深そうに見ていました。
 
「自分が住む街のことをちゃんと知りたい」
みなさんの安全のためがんばっています!
 今回この資料館を訪れた中学生は、事前に萬代橋の歴史について調べてきたそうです。見学後の感想を聞くと、「事前学習で分からなかったことが分かってよかった」「模型を見てもっと調べたい」などの声が聞かれました。また、なぜ総合学習のテーマに萬代橋・柳都大橋を選んだのかたずねると、「自分が住んでいる新潟のことだから、ちゃんと知りたい」という答え。今回の学習は、中学生にとってふるさとを再発見し、さらに新潟のことを好きになるきっかけとなったのではないでしょうか。

先生の声

水野敬雄先生

新潟市立木戸中学校
2学年担当

新田 直子先生

新潟について深い視点で考える機会に
本校では、2学年での総合学習で「新潟を知る」ということで様々なテーマで地域学習を行っています。今回お世話になったグループは、「萬代橋について調べよう」というテーマで学習を進めています。生徒たちは事前学習で様々な文献資料を用いて調べている中で、疑問点や知りたいことが生まれ、実際に萬代橋の仕事に携わっている方にお話を聞こうということになりました。
 今回、萬代橋・柳都大橋資料館を訪れ、模型やVTRを見ながら、萬代橋の歴史、アーチ型の理由、萬代橋の用・強・美の詳しいお話をいていただきました。ありがとうございました。
 訪問後、生徒たちがさらに深い始点で萬代橋を考え、新潟について考えるよい機会になることを願っています。