ほくりく学ぶくん通信
ほくりく学ぶくん通信
「川の危険」「川でどんな活動ができるか」体験学習
近くにあるのに知らなかった川の力、川の魅力。「達人」に導かれていろいろな驚きを発見しました。
「水」からはじまる川への興味

 「水」から何を思い浮かべる? 猪苗代町立千里小学校4年生の総合学習はこんな問いかけから始まりました。水と自分との関わりを問い直す試みです。自然、人体、飲み物、水の性質などいろいろな意見が出ました。身近にある水から「田んぼ」や「川」へと連想を広げていきます。川で遊ぶことの少ない今の子供たちは、川は山から海へ流れていくものだという長さの実感がありません。自分にいま見えている部分だけが「川」なのです。
 そこでまず、小学校の近くを流れる長瀬川の川のはじまりを知るために上流の高森川と硫黄川との合流点に行きました。大きな石がゴロゴロする様子に子供たちは驚き、心に深い印象を残したようです。実際に子供たちが川の中に入って見ることで、これまでどれほど自分たちが川について知らなかったかを子供たちは悟ったようだと先生は言います。
 次に学習のフィールドを長瀬川の上流から下流に移し、もう一度自分たちの課題探しを行います。このような体験学習での素朴な感動や気づき、驚きは、学習の第1のステップです。最終的には子どもたちが自分で課題を見つけ、その課題を追究し、人に伝え、人と関われる力を身につけることを学習の目標としています。

「川の達人の会」による支援
 先生一人では、川での学習は児童全員の安全の確保が難しく、また学習のための専門的な知識をカバーしきれません。そのため、外部の人材支援は不可欠です。小学校の位置する会津地域には、阿賀川河川事務所の「会津めだか塾」修了生から構成されている「阿賀川・川の達人の会」という、川の体験活動の手伝いをするボランティア団体があります。水質調査や水生生物調査、川での遊び、さらに川の作用の体験活動を支援しており、川に親しみ、安全に遊び、学ぶための方法の習得を目的に活動しています。この長瀬川下流での総合学習は、阿賀川河川事務所と阿賀川・川の達人の会による連携で行われました。
 今回、千里小学校4年生39名の学習支援にあたり、1)カヌー体験、2)川流れ体験、3)水生生物調査、4)草花遊びのメニューを用意し、3グループに分かれて行いました。カヌー体験は大変人気のあるメニューです。川流れ体験はライフジャケットを着用し川を流れる水の力を実感する試みです。水生生物調査は水質判定を兼ねています。草花遊びでは身近な草花を使った伝統的な遊びを教わりました。
集めた水生昆虫を解説する山中会長、子供たちは興味深そうにのぞき込む

 

 
国土交通省北陸地方整備局