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多重無線回線(通信鉄塔) |
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24日に行われた、妙見堰管理支所庁舎点検の結果、管理支所建物とその屋上に設置されている通信鉄塔が傾いているとの報告なされた。
妙見堰管理支所鉄塔は、管理支所建物工事に合わせて施工され、1級回線長岡局から接続されている2級回線である。
被害報告を受け、管理者である信濃川河川事務所では、25日7時30分に鉄塔倒壊による二次災害防止のため、隣接住民に対し状況を説明するとともに自主避難を要請した。
通信鉄塔の基部は、23日からの数回にわたる強い地震動により、4脚の底盤プレートとコンクリート基礎を固定する径28mmのアンカーボルトの一部が破断し、他のアンカーボルトもナットが緩む状態となっていた。
また、コンクリート基礎の一部も損壊し、アンカーボルトがむき出しの状態となってしまった。
このような状況から、高さ28m、重量約30tの鉄塔本体が倒壊する可能性があると判断されたため、撤去することとなった。
しかし、このような中でも、妙見局多重無線回線は使用可能であった。
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図2-5-1 信濃川妙見堰管理支所 無線鉄塔の撤去前現況図 |
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写真2-5-1 地震被害を受けた妙見堰管理支所 鉄塔脚部の状況(H16.10.25) |
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27日以降は、左岸より高感度カメラと衛星通信車を用い、挙動監視を行うこととなった。
また、鉄塔撤去までの強度確保のため、ナットが緩んだり破断したアンカーボルトとベースプレートを仮溶接し余震に備えた。
鉄塔の撤去は、10月29日よりクレーン車の作業足場の造成に着手し、11月2日に650t吊りの大型トラッククレーンにより、アンテナ等を全て取り付けた状態で一括吊り上げを行い、同日15時に終了した。
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写真2-5-2 妙見堰管理支所鉄塔の撤去状況(H16.11.2) |
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通信鉄塔撤去により多重無線回線が途絶する事となるため、11月3日に光端局装置による光電送回線を仮構築した。
新しいアンテナの高さを見直したところ、地上高21mで回線構成が可能となったことから本復旧は、現在撤去した鉄塔基礎部を利用したアンテナ架台の製作・据付を行い、アンテナを設置し、多重無線回線を再構築中である。
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(2) 電源装置関係(予備発電装置及び電源装置) |
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予備発電装置 |
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地震に伴い広範囲の商用電源の停電に伴い、管理所備え付けの予備発電装置は停電と同時に正常に作動し、給電を行っていたが、26日13:00に発電機が異常表示し停止した。
この停止により、26日13:00から商用電源が復電した27日14:50まで妙見堰管理支所は全停電となった。
停止の原因は地下タンクからの燃料配管に亀裂が生じ、燃料(灯油)に水が混入し、燃料ポンプが故障したことによるものと判明した。
燃料ポンプの修理は11月4日に完了し、燃料配管については平成17年8月に修理を完了させた。
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電源装置 |
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商用電源ならびに予備発電装置が停止した後には、情報通信機器用電源装置(直流電源装置、無停電電源装置)の内蔵バッテリーも容量が尽き、機器への電源供給が出来なくなったが、商用電源復電後復旧した。
なお、この電源装置から電源供給されているため運用停止していた情報通信機器も商用電源復電後に復旧した。
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(3) 放流設備制御装置 |
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堰放流設備制御装置も電源装置の停止により運用停止し、商用電源復電後には電源供給が開始されたが、誤動作防止のため、装置単体及びゲート対向試験を行った後、運用することとした。
このため、被災により操作室からの操作ができなくなった1号ゲート及び左岸魚道ゲートを除いて、庁舎への出入りが自由になった鉄塔撤去後の11月2日から動作試験を開始し、11月3日に遠方手動操作の正常動作を確認した。
なお、1号ゲートは、平成17年3月から、左岸魚道ゲートは、平成17年4月から遠方手動操作が可能となった。 |