魅力的な梯川を後世に…。

多自然川づくりのとりくみ
騒々しい市街地の脇を、悠々と流れる梯川。その佇まいや水面に浮かぶ水鳥、賑やかな囀りは、人々の心を和ませてくれる後世に残したい風景です。
このような梯川の良さを残しつつ、そこに住む人々の安全や安心を高めることの両立を目指して、河川改修に取り組んでいます。


粗朶沈床を組み立てています

粗朶沈床を設置した状況です
多自然護岸「粗朶沈床」
小松市丸の内町、下牧町地先で進められている丸の内低水護岸工事では、「粗朶沈床」と呼ばれる多自然工法をとりいれています。川岸は水面と土が接し、ヨシ等が繁茂するよう配慮しています。粗朶沈床は、水の流れで川底が掘れるのを防ぐために設置する根固め工と呼ばれるものの一つです。従来のコンクリートによる根固め工に比べ、魚類やえび、かになどの生き物が棲みやすいため、環境に優しい工法です。
梯川では、以前から粗朶沈床を利用した整備を行っており、粗朶によって支えられた水底は、多種多様な生物が生息できる空間にもなっています。
※粗朶とは広葉樹のナラ、クリ、カシなど堅くて強い材質の枝を束ねたものです。7〜10年ほどを目安に成長したものを使います。

白山建設(株)
こだかてるゆき
小高 輝之さん


本工事は、鋼矢板・ブロックマット・粗朶沈床等を用いた多自然低水護岸工事です。私も初めて経験する粗朶沈床の施工であり、事前に色々と調べたり、職人さんに質問や相談をしながら工事を進めています。人力での組立作業が多く、伝統芸的なものを感じました。残念ながら粗朶沈床工は水の中で見えなくなってしまいますが、自然に優しく水生生物等にも優しいものなので、地元の方々にもこの機会に知って頂けたらと思います。人に優しく、自然に優しくを心掛け、自然豊かな水辺で川とふれあえる親水護岸となるように安全に施工していきたいと思いますので引き続きご理解、ご協力をお願い致します。