1.一般国道157号鶴来バイパス道路緑化懇談会資料(第2回)
本計画は幼木を中心に植栽するものであることから、下図をもとに全体の有効土壌厚を60cmとして計画する。その構成は、下層で40cm厚の土壌改良、上層においては20cm厚の客土工を行い、全体として60cm厚の有効土壌を確保する。
下層の土壌改良は、物理的な改善を主体に、良質土とパーライト等の無機質系改良材を混入し攪乱することで、通気性、保水性、排水性の改善を図る。
また上層の客土工については、パーク堆肥等の有機質系改良材を混入し腐植質を高め樹木の良好な生育を図る。
さらに本計画では、一般的な客土材のほかに、別途工事現場で発生する里山等の表土についても、これを積極的に活用するものとする。
■基盤造成図
■必要有効土壌厚
■植物と土壌の関係
必要有効土層厚 | 〜15cm | 30cm | 45cm | 60cm | 90cm | 150cm〜 | |
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排水層圧 | - | 10cm | 15cm | 20cm | 30cm | 30cm〜 | |
適用樹木等 | 芝 | A | C | C | C | C | C |
地被植物・低木 | - | A | C | C | C | C | |
大低木・中木 | - | A | B | C | C | C | |
高木(浅根性) | - | - | A | B | C | C | |
高木(深根性) | - | - | - | A | B | C |
−:植栽することが困難、生育不可能
A:灌水によって水分を補えば生育可能
B:若木の段階から植栽しておけば生育可能
C:通常の維持管理だけで十分生育可能
[出典:道路緑化技術基準・同解説(1998)]
※本計画は、自然埴生の概成を目標とした実験的植栽であることから、本表による60m厚としたい。
調査項目 | A地点 | B地点 | C地点 | 目標値 | 評価 |
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PH(水温) | 7.2(20) | 7.0(20) | 7.4(20) | 4.5〜8.0(※1) | 問題なし |
電気伝導度 EC(ms/cm) |
0.12 | 0.11 | 0.14 | 1.0以下(※1) | 問題なし |
全窒素(%) | 0.03 | 0.03 | 0.01 | 0.06以上(※1) | 有機質系改良材による土壌改良が必要 |
腐植(%) | 1.4 | 1.7 | 2.4 | 3.0以上(※1) | 同上 |
有効リン酸 (mg/100g) |
5.3 | 10.0 | 6.1 | 10以上(※2) | 果樹以外の一般樹木の値としては、特に問題なし |
酸素イオン(%) | 0.01以下 | 0.01以下 | 0.01以下 | 0.2以下(※2) | 問題なし |
※1:「緑を創る植栽基盤」(ソフトサイエンス社)
※2:「最先端の緑化技術」(ソフトサイエンス社