◎評価のまとめ
●賑わい
- 現国道の賑わいについては、現道拡幅案・近接バイパス案のいずれの案でも活かされる。
●沿道商業施設
- 現道拡幅案・近接バイパス案のいずれの案でも、一体的なまちづくりを行っていかないと淘汰される可能性がある。
●まちづくりの実現性
- 現道拡幅案では、沿道商業者がまちづくりの主体となり、事業推進に積極的に協力することを明らかにしている。
- 現道拡幅案においても新たなまちづくりを行うことができるが、近接バイパス案では土地区画整理事業などの基盤整備が必要であり、地権者や事業者にとって実現するための不確定要素が多い(減歩率が高い、事業費が高い、保留地が売れないなど)。
- 現道拡幅案では、拡幅に伴う資金を再投資できるが、近接バイパス案では新たに投資する必要がある
●自然環境、景観、農業、子ども、若者、道の駅
- 自然環境、景観、農業、子ども、若者、道の駅の観点からは、現道拡幅案・近接バイパス案のいずれの案も遜色がない。
●道路利用者(自動車利用者、歩行者・自転車)
- 現道拡幅案・近接バイパス案のいずれの案も、走行性や安全性、利便性、快適性が高まる。
●事業費
- 現道拡幅案の方が、道路本体の事業費は高くなる。
- 但し、道路整備の事業主体である国土交通省は、事業費の大小にかかわらず、地元で合意された計画案を尊重するとしている。
●沿道環境
- 現道拡幅案・近接バイパス案のいずれの案も、植栽帯の設置により、潤いのある景観が実現する。
- 現道拡幅案・近接バイパス案のいずれの案も、交通量の増加に伴う騒音・振動の影響が高まるが、道路幅員が広がることや植栽帯を設置することなどにより、影響は緩和される。
●道の駅について
- ドライバーの憩いや休息の場となる。
- さらなる商業集積を高めるためには、沿道商業者に投資意欲が生まれるような、魅力ある核施設の整備が有効であり、道の駅は核施設となりうる施設である。
- 道の駅については、今後設立される「(仮称)国道8号沿道のまちづくりの核となる道の駅検討委員会」において、検討していく。
●総合評価
- 複数の案の中から現国道の賑わいを活かしたみちづくり・まちづくりが行える案として、現道拡幅案と近接バイパス案の2案に絞り込まれてきた。
- 近接バイパス案では、道路に接しない土地や不整形な土地の発生を防ぐために、土地区画整理事業などの基盤整備が必要であるが、土地区画整理事業には、減歩率が高い、事業費が高い、事業による地価の上昇がそれほど期待できないため保留地の売却が難しいなどの課題があることから、合意を得て実現することは難しい。
- 一方、現道拡幅案においても新たなまちづくりを行うことができ、拡幅に伴う資金を再投資できることや、沿道商業者が積極的に協力することを明らかにしていることから、まちづくりの主体が明確にできるということを前提に、現道拡幅案が妥当であると考えられる。
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