河川管理施設紹介
満願寺閘門と小阿賀樋門
○小阿賀野川はこんな川
小阿賀野川は、新津市満願寺で阿賀野川から分かれて信濃川に合流している川で、長さは約11kmあります。
○人々を困らせていた小阿賀野川
むかし、小阿賀野川は、阿賀野川と信濃川を結ぶ船の道として、さらには、阿賀野川の水量を調節するなどの目的で、江戸時代(1750年代)から河川工事が行われてきました。しかし、小阿賀野川は、阿賀野川から自然に流れ込んでいたため、洪水の時には、たびたび人々を困らせていました。
○誕生、満願寺閘門と小阿賀樋門
大正2年(1913年)8月に、今までになかった大きな洪水が起こり、横越町木津、五泉市論瀬・高山・一本杉、京ヶ瀬村粕島・下里など、多くの場所で堤防が壊れ、泥水の中で住民は苦しみました。
この洪水をきっかけに、政府(国)は大正4年(1915年)から阿賀野川第一期改修工事に取り組むことにしました。この阿賀野川第一期改修工事の一環として、新津市満願寺に当時栄えていた阿賀野川と信濃川の船の輸送を確保するため、初代満願寺閘門を設置しました(昭和3年(1928年)3月完成)。また、阿賀野川からの洪水を防ぎ、小阿賀野川に必要な水量を流す目的で、満願寺閘門の下流側に小阿賀樋門を設置しました(昭和6年(1931年)9月完成)。
この満願寺閘門と小阿賀樋門の設置により、小阿賀野川周辺の亀田郷、新潟市を洪水の恐ろしさから、人々を安心させ、農業、漁業、そして舟運に利用されてきました。
満願寺閘門前扉より小阿賀野川を望む
満願寺閘門
○満願寺閘門のはたらき
満願寺閘門は、水位の高い阿賀野川と水位の低い小阿賀野川を行ったり来たりする時に、水の力で船を上げたり下げたりして、船を通す施設です。 閘室内の水が上がったり下がったりすることによって、エレベータのようなはたらきをします。
○満願寺閘門のしくみ(アニメーションを見る)
阿賀野川から小阿賀野川へ船を通すときには、(1)~(3)のような閘門の操作をします。-
- 前扉のゲートを引き上げて、閘室の水位を阿賀野川と同じにします
- 閘室に船が移動します。
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- 前扉を下ろします。
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- 後扉を引き上げて、閘室内の水位を小阿賀野川と同じにします。
- 小阿賀野川に船が移動します。
小阿賀樋門
○小阿賀樋門のはたらき その1
阿賀野川が洪水の時に、小阿賀樋門のゲートと呼ばれている鉄の扉を閉めて、小阿賀野川へ洪水が流れこんでいかないようにします。もし、小阿賀樋門がなく、洪水が流れていってしまうと、小阿賀野川の下流の人々に、大きな被害をもたらします。
洪水の時
- 鉄の扉を閉めて、小阿賀野川に阿賀野川の洪水が流れないようにします。
もし小阿賀樋門がなかったら…
- もし小阿賀樋門がなかったら小阿賀野川に阿賀野川の洪水が流れてしまいます。
○小阿賀樋門のはたらき その2
小阿賀野川では、農業用水や水道水の水を取ったり、川の中の生物(魚や昆虫)が水が少なくなって住めなくならないように、それらに必要な水の量を調整しています。これは、小阿賀樋門のはたらきその1とは反対にゲートを開けて、開いているすきまで流れる水の量を調整します。
ゲート操作で水の量を調整します
- ゲートを開けて開いているすきまから水を流します。
- たくさんの水が必要な時は、ゲートを上に上げます。
- ふだんは、小阿賀野川に必要な水の量を流すためにゲートを調整します。